宝塚市で家族ら4人がボーガン(=洋弓銃)で撃たれ3人が殺害された事件で、母親ら3人に対する殺人容疑で再逮捕された無職の男(23)について、神戸地検が犯行当時の精神状態を調べる「鑑定留置」を神戸地裁へ請求し認められた。捜査関係者への取材でわかった。7月3日付。期間は6日から11月5日までの4か月間。
捜査関係者によると、男は取り調べにも淡々と応じているというが、3人死亡という事件の重大性とボーガンを用いての殺害行為といった異常性、また殺人罪で起訴した場合裁判員裁判の対象事件となることから起訴前の精神鑑定を視野に入れた。 地検幹部は「親族間の殺人という形態に、第三者が理解しがたい特段の情状があったとしても、犯行時の精神状態を分析する必要がある」としている。
鑑定留置には刑事訴訟法に基づく手続きが必要で、医師が精神疾患の有無や犯行時の精神状態などを調べる。神戸地検はこの結果を基に刑事責任能力の有無を判断、起訴の可否を決める。
2017年7月、神戸市北区で起きた5人殺傷事件では被告の男(29・公判前整理手続き中)について神戸地検が2017年9月~2018年5月、2度の延長を経て約8か月間、鑑定医による聞き取りや検査を行う鑑定留置を実施。この結果を受けて責任能力を問えると判断、殺人・殺人未遂罪などで起訴した。