伊丹市と神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市の5市が申請を行った、『「伊丹諸白(もろはく)」と「灘の生一本(きいっぽん)」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷』が6月19日、令和2年度の日本遺産に認定された。
7月6日(月)のラジオ関西『PUSH!』に、伊丹市総合政策部都市ブランド・観光戦略課の立花裕也さんが出演し、日本遺産認定の喜びと今後の展望を語った。
「日本遺産」は文化庁が各地域の有形無形の文化財をストーリーにしてまとめ、地域が持つ歴史的な魅力や特色を発信するプロジェクト。
今回認定された『「伊丹諸白(もろはく)」と「灘の生一本(きいっぽん)」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷』では、伊丹が「清酒発祥の地」であること。その清酒が江戸で人気を集め、伊丹に続き灘のお酒も江戸で愛されたこと。そのお酒から得た財を文化・教育に投じ、現在の生活に活かされていることをストーリーにまとめている。
このストーリーの中で鍵となるのは『下り酒』という言葉。江戸時代、政治や権力の中心は江戸(いまの東京)だが、天皇がいる“都”は京都のため、京都が上方で、伊丹や灘から江戸に行くお酒は“江戸に下る”ということで『下り酒』と呼ばれていた。
この『下り酒』に関して、立花さんは「日本酒のストーリーが認定されたのは初めて。昨年もチャレンジしたが認定されず、審査員の有識者から“地域のオリジナリティ”を求められた。そこから5つの市の担当者が話し合いを重ね、核となる『下り酒』をどのように伝えるかを試行錯誤した。できあがったストーリーは自分たちでも納得できるものになった」と苦労を語った。
また、認定の連絡を受けたときの感想を聞かれた立花さんは、「突然の連絡で驚き、“本当に?”という思いが強かった。もちろんうれしさもあったが、次の展開を考えることで頭がいっぱいだった」と、当時の心境を振り返った。
日本遺産に認定されたことで、伊丹や灘五郷に観光客が増えることも期待される。立花さんがおススメする伊丹のスポットは、現存する日本最古の酒蔵「旧岡田家住宅・酒蔵」とのこと。
伊丹市では今後、新型コロナウイルスの影響を注視しながら、清酒にまつわるツアーガイドの育成や、地域の住民や学生に向けて、「伊丹が清酒発祥の地」であるということを再認識してもらえるような取り組みを続けていく。
◎日本遺産登録に関する伊丹市のホームページより
http://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/SOGOSEISAKU/toshibrand/Japan_Heritage/NINTEI2020.html