■子どもへの金品提供に罰則規定、全国初
特定抗争指定暴力団「六代目山口組」が毎年10月、神戸市灘区の総本部で開催するハロウィンのイベントで地域の子どもたちに菓子を配っている実態に歯止めをかけようと、暴力団側が18歳未満の子どもに金品を提供する行為を罰則付きで禁じる暴力団排除条例の改正案を、兵庫県警が9月県議会に提出する。
捜査関係者によると、山口組のハロウィンイベントは近隣住民の懐柔が目的とみられ、遅くとも2013年には確認されていた。対立する神戸山口組との抗争が激化し、特定抗争指定暴力団に指定されてからは警察当局が総本部の使用を禁じたため、2019年に続き2020年も開催の見通しは立っていない。
すでに福岡など13の都府県が、18歳未満の子どもの組事務所への立ち入りについて暴力団排除条例で罰則を設けているが、金品などの提供を罰則付きで禁じる条例が可決されれば全国で初めて。違反した組員には兵庫県公安委員会が中止命令を出し、これに従わず違反を繰り返した組員や組の代表者に6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金とする罰則規定を設ける。兵庫県警は7月10日~31日、ホームページなどで改正案の概要を公表し、県民の意見(パブリックコメント)を募る。