神戸市は新型コロナウイルス感染症への対策をめぐる検証結果を公表した。
2009年の新型インフルエンザ発生以降、改善すべきだった反省点として「マスクや防護服といった医療用資機材の備蓄」や「区役所来庁を不要にするための取り組み」などを挙げた。また学校園の休業を想定した「在宅学習環境の整備」については、各家庭のICT (情報通信技術)環境を把握できていなかった点などを指摘している。
新型コロナウイルスが発生後の対応については「報道会見を扱う事務職と保健所の専門職との連携不足」や「市役所内での感染発生時マニュアルの未整備」などを反省点として挙げた。
一方、評価できるポイントは「オープンデータによる市内の人の動きや感染状況などの公表」や「現場に立つ保健所職員の士気の高さ」などとした。
しかしこうした評価の陰で、保健所職員らの激務・過重労働が発生し、個人的な犠牲のうえに業務が成り立っていたことは否めないとして、今後は継続的に体制強化を図ることが重要だと指摘している。
報告書は、2020年3月~5月にかけての感染拡大の第1次対応について「十分な準備や想定ができていない中で対応せざるを得なかった」と振り返り、今後については「新型コロナウイルスによる死者を最小限にすることや、市民生活や経済活動をできる限り維持・回復することを目標とし、次なる感染拡大期の到来に備える」と締めくくっている。
検証結果は253ページ。神戸市のホームページでも公開している。
神戸市 ホームページより
https://www.city.kobe.lg.jp/a95474/kenshou.html