■「『10月』『中国』 の期待薄く」~インバウンド頼みの構造が崩れてしまう
これまで日本経済を支えてきた重要なファクターが、いまの関西で見当たらない。いるはずの場所にいない。政府は4月3日、アメリカ・中国・韓国など49か国・地域を入国拒否の対象とした。世界的に旅行需要が停滞して久しい。2020年6月の訪日外国人(インバウンド)は2,600⼈(前年同月比99.9%減~日本政府観光局・7月15日発表推計値)となり、9か月連続で前年同月を下回った。
関西でインバウンド(外国人観光客)に向けた商品を開発する男性が匿名を条件に取材に応じた。男性は「我々の中でのキーワードは『10月』『中国』。中国が国慶節の時期に、かつてのように日本へやって来て大量消費、を見込んでいたが、日本で緊急事態宣言が解除されたころから、その雲行きも怪しくなっている。『Go To トラベルキャンペーン』は、これまでインバウンド頼みだった我々観光業に携わる者にとって、セールス対象を国内の方々へシフトするために重要なプロジェクトになり得る」と話した。