奈良県葛城市に鎮座する「葛木坐火雷神社(笛吹神社)」(かつらきにいますほのいかづちじんじゃ・ふえふきじんじゃ)がいま大人気アニメ「鬼滅の刃」のファン巡礼の聖地となっている。
同作品は2016年から2020年まで少年漫画誌に連載され、ネットラジオ番組配信やアニメ化、商品コラボレーションされるまでに社会現象化したもの。
時は大正時代の日本。人間を襲う「鬼」が大暴れをしており、主人公の父母をあやめた人喰いの仇どもを倒すため、日々精進、鍛練を続ける本当は心優しき少年による命懸けの激闘を描くもの。物語や作画には「和風テイスト」がたっぷり効いている。
主人公と同期の少年隊士もサブキャラながら大人気なのだが、この金髪の少年が物語の中で編み出した鬼退治の大技「火雷神」と同じ文字が社号標に書かれているとアニメファン、なかでもコスプレイヤーが次々に訪れて、同神社で写真撮影をしているという。
同神社が鎮座する「葛城市」は奈良県中西部に位置し、葛城山から二上山に延びる山脈の東麓にあり、山を越えると大阪府という利便性の高い地域。山間部と平坦部の面積比が1:2と理想的なバランスで、近年は「住みよさランキング・近畿地区」(東洋経済「都市データパック」より)で昨年の3位から一つ順位を上げて、堂々の2位に。風光明媚ながら便利で、歴史と共存しつつ新しい力を感じることができ、勉学にも励むことのできる環境もそなえる文教市を目指している。現在、市長を務めるのは、阿古和彦氏。
さて、葛木坐火雷神社の主祭神は「火雷大神」(ほのいかづちのおおかみ)および「天香山命」(あめのかぐやまのみこと)の二柱。創建は神代とも神武天皇時代とも言われており、いずれも明らかではないが、およそ二千年の長きに渡りこの地域を鎮守される貴い神様である。
天香山命の子孫、笛吹連(ふえふきのむらじ)が代々この地に住み、祖先神に奉仕していたためか、現在も「葛木坐火雷神社」という名称よりも「笛吹神社」の名称が地元の人々に親しまれている。また、火雷大神が火の神様であることから火を扱う職業(飲食業・製造業・工場など)や消防関係の崇敬をあつめており、また天香山命の御神徳から笛やフルート、尺八などの楽器や音楽全般の上達を願う方々の崇敬もあつく、全国各地から奉納演奏に参詣される演者も多いという(同社ホームページより一部抜粋)。正月にはフルート奏者やかつらぎ太鼓保存会による奉納演奏が行われている。
「当社がひょんなことからアニメ聖地巡礼の観光スポットとなりご遠方からもご参拝頂けることになり、ありがたい限りです。先代(父)の命日にあたる6月16日に公式ホームページをリニューアルしたとたんに、このような形で取り上げられたことで来訪者も増えました」というのは、葛木坐火雷神社の持田照久宮司(笛吹連85代)。
葛城坐火雷神社(笛吹神社)
http://fuefukijinja.org/
葛城市
https://www.city.katsuragi.nara.jp/