防災の日 国籍関係なくみんながもしもに備えるために【#コロナとどう暮らす】

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 9月1日は防災の日。

 日本は、位置地形、地質、気象などの自然由来の条件から、台風、豪雨、洪水、がけ崩れ、地震、津波、火山の噴火など、災害が発生しやすい国だ。

 政府は、日頃から災害に対する備えを心がけ、「自らの命は自らが守る」意識を持つよう呼びかけている。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、感染症対策も重要なカギとなっている。もしもというときにどうすればいいか、考える機会としたい。

 ところで、神戸をはじめ、日本には多くの外国人が暮らす。

 2019年末の数字では、兵庫県内で暮らす外国人の数はおよそ11万5000人。このうち55パーセントに当たる6万2000人が特別永住者・永住者だ。コロナの影響で、留学生など帰国した人も多い。運航する国際線の数が激減し、入国が制限されていることもあり、外国人観光客の姿を見ることは少ない。今日本にいるのは、永住者や仕事関係の人が多い。「帰りたいけど、一度日本を出るともう日本に戻れない」可能性が今の段階では高く、帰国できないという。

 そんな外国人、母国語と同じように日本語を使う人もいれば、そうではない人もいる。また日本語がわかっても、情報に対する理解の仕方が日本人とは違うこともある。また習慣や宗教も違う。そんな人たちに防災を呼びかけるとき、どうすればいいのか。

 阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」の楊梓主任研究員は、このほど、「知ってほしい・感染症蔓延期における災害時の外国人対応、やってほしい・あなたにもできる防災・減災対策」というリポートをまとめた。

 日本で暮らす外国人の中には日本で災害が起きたらどうすればいいかわからないという人も多く、新型コロナウイルス感染症が広がっていることでより一層不安が高まっている。もちろん自らが積極的に情報収集をすることも必要だが、周りの配慮があると助けになる。

 楊主任研究員は、情報には「ストック情報」と「フロー情報」の2種類があるという。

 ストック情報は、人が行動を起こすときにあらかじめ提供された情報やこれまでに蓄積された情報のことを指し、これがスタートラインになる。フロー情報は、災害発生後に出される情報で、危険情報(例・地震が起きました)や対応情報(避難してください)を受け取っても、ストック情報、つまり、事前の情報がなければ適切な避難行動はとれない。

 日本では、メッセージを深く読み取って、言葉になっていない省略された情報もくみ取ってコミュニケーションを図る文化がある。つまり、日本人向けに提供されるメッセージをそのまま翻訳しても、外国人が正しい行動をとれるとは限らない。例えば「マスクをつけてください」といわれても、マスク文化がない国では、なぜマスクをつけるのかわからない。

 また、「大丈夫ですか」と声掛けをすることがあるが、そのように聞かれると「大丈夫です」と答えてしまうことが多い。でも実際には「大丈夫ではない」ことが多いという。声をかける際には「わからないことはありますか」など、具体的な表現の方が、外国人は安心し、伝えることができる。

 一方で、外国人本人にも、言葉がわからないのであれば、翻訳機能を持つアプリを使うなど、積極的にコミュニケーションを図り、「わからないことをわからないままにしない」ようにするよう呼び掛けている。

 リポートでは、外国人住民が感じている不安事項やその回答例のほか、防災・減災対策をまとめており、事前にしっかり考えて準備し、もしもの時に落ち着いて行動するよう呼び掛けている。このリポートは 英語・中国語でも公開されている。

 これらは、日本人にも言える場面があるのではないか。となりにどんな人が住んでいるのか知らないなど近所づきあいが少ない人や、旅行など海外で過ごす時。たとえ数日の旅行でも、どういう可能性があるのかをしっかり確認した上で、もしもの時に備える。もちろん「もしも」が起こらないことが一番だが……。

人と防災未来センター
人と防災未来センター(神戸市中央区)

※ラジオ関西『PUSH!』2020年9月1日放送回より


阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」
http://www.dri.ne.jp/

PUSH! | ラジオ関西 | 2020/09/01/火 16:30-17:35

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