兵庫県は、明石市から赤穂市にかけての播磨灘や淡路島沿岸に「想定し得る最大規模」の高潮が発生した場合、対象の8市町のうち明石市を除いた7市町で浸水が最大5メートル以上の甚大な被害になるとする想定区域図を公表した。
予測は、1934年(昭和9年)に京阪神を中心に死者・行方不明者合わせて3036人にのぼった室戸台風に匹敵する「500~4000年に1度」クラスの台風が上陸し、5メートルを超える高潮が押し寄せ、河川も「100年に1度の大雨」で氾濫したとの想定。浸水エリアに住む居住人口は播磨沿岸の8市町で約47万人と試算した。
これらのシミュレーションによると、姫路市南部では約60平方キロメートルが浸水するおそれがあるという。
姫路市飾磨区の山陽電鉄「飾磨駅」周辺で3.1メートルの高さまで浸水するなど、21平方キロメートルの範囲で建物の2階部分まで水につかる(3メートル以上の浸水)が想定される。
高砂市沿岸部では約20平方キロメートルが浸水するとされ、高砂市荒井町の高砂市役所周辺で3.1メートル、高砂市民病院周辺で3メートルの高さまで浸水するなど、4.91平方キロメートルで3メートル以上の浸水を想定した。
淡路島3市での最大の浸水の深さは3.2~4.9メートル。0.5メートル以上の浸水が3市の合計で22平方キロメートルに及ぶという。