4月から月1回放送されているラジオ関西のプログラム【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】。6回目の放送が9月28日(月)に『PUSH!』内で行われた。
このプログラムでは、2018年の『R-1ぐらんぷり』王者で、「ひょうごユニバーサル大使」でもある“盲目の漫談家”濱田祐太郎さんが、「ユニバーサル社会」の重要性ついて発信している。「ユニバーサル社会」とは年齢・性別・障がいの有無や、言語・文化などの違いに関わりなく、すべての人が地域社会の一員として尊重される社会のこと。
この日のゲストは、兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)の広報交流専門員・古川知可子さん。ピッコロシアターに所属する専属の「ピッコロ劇団」の活動内容などを聞きながら、“芸術”を通してユニバーサル社会について考えた。
古川さんは大学で演劇を学び、学生時代は俳優を目指すが挫折。しかし、演劇を観る人を増やす仕事に就きたいという思いから、ピッコロシアターの職員に。そのなかで、9年前に福祉の仕事をしている友人から映画の「音声ガイド」の存在を教えられ、劇団にも反映させることができないかと模索した。5年前に視覚に障害のある方への観劇サポートとして、生の演劇に生で音声ガイドをつけるという画期的な上演を企画。その後、聴覚障害の方へ「字幕」付き上演なども展開している。
番組では実際に上演された際の「音声ガイド」も特別にオンエア。出演者からは「情景が浮かぶ」と好評だったが、濱田さんは『メアリーおばあさんの役をおじさんがやっていた!』と、上演内容に関する細かい部分に気付く、さすがの感性を発揮していた。
ピッコロ劇団では「音声ガイド」だけではなく、「点字プログラム」を作ったり、実際に舞台に出てくるセットの一部を入り口に設置し、それを上演前に触ってもらうことで、目の不自由な方でも舞台上をイメージしてもらうような取り組みも行っている。濱田さんは『今はコロナで難しいけど、お客さんが実際にステージに上がって、セットをさわることができたら面白い』と話し、古川さんは早速メモを取っていた。
また、コロナ禍で自宅待機になっていた劇団員が中心になって、動画で朗読や紙芝居を披露する企画、【#またピッコロで会いましょう プロジェクト】も実施。その動画に日本語や英語の字幕を付けることで、幅広い方に対応している。
ピッコロ劇団のこうした取り組みについて古川さんは、「やっている側も面白いということが大事。そうすることで、みんなでいろいろと話し合うことができる」とコメント。濱田さんも「確かに」と納得しながら、「お笑いの場合は、やってるほうが楽しければ楽しいほどお客さんがシラケていることがある」と、お笑いあるあるも披露。「今まで音楽の劇場には行ったことがあるが、音声ガイドなどが充実していたらお芝居の劇場にも行きたくなる」と感想を語った。
『濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信』2020年9月28日放送回