「病棟で虐待黙認、従属的とは言えず」10件の入院患者虐待、主犯格の元看護助手に懲役4年判決 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「病棟で虐待黙認、従属的とは言えず」10件の入院患者虐待、主犯格の元看護助手に懲役4年判決 神戸地裁

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 神戸市の精神科病院で起きた看護師らによる入院患者への虐待事件で、主犯格とされ暴行や監禁などの罪に問われた元看護助手の男(27)に対し、神戸地裁は12日、懲役4年(求刑・懲役7年)を言い渡した。

神戸地裁
神戸地裁

 男は神戸市西区の精神科病院の閉鎖病棟で、ほかの看護師の男ら5人と共謀し、2018年10月以降、当時79歳の男性患者を病院内のトイレのいすに座らせ水をかけるなどしたほか、病室で当時63歳の男性患者を床に寝かせ、落下防止柵が付いたベッドを逆さに覆いかぶせて閉じ込めるなど患者7人に対し10件の虐待をしたしたとされる。

 被告人質問で、男は2017年から閉鎖病棟の担当となって以降、「病棟では虐待が黙認されていると思った」と述べていた。

判決が言い渡された神戸地裁・大法廷(写真・代表撮影)
判決が言い渡された神戸地裁・大法廷(写真・代表撮影 2020年10月12日午前)

 神戸地裁は判決で「精神病患者に対する特に悪質な行為で、悲鳴を上げたり苦しんだりする姿を動画で撮影し、ほかの看護師らとその動画を共有するなど積極的に犯行に関わっており、決して従属的だったとは言えない」と指摘する一方、一部の被害者と示談が成立していることなどを踏まえ懲役4年とした。

 一連の事件では、男を含む元看護師ら6人が逮捕、起訴され、全員が有罪(うち3人は実刑)判決を受けた。

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