2020年10月、コロナ禍で様々な対策が取られながら日本プロバスケットボールリーグ(Bリーグ)の新シーズンがスタートした。2部(B2)に所属する西宮ストークスは、同じ西地区のファイティングイーグルス名古屋を迎えて、今季ホーム開幕戦を10日と11日に開催。西宮市立中央体育館には、約8か月ぶりのホームゲームを待ちわびた計1714人のブースターが集結した。結果は連敗となり、ほろ苦いスタートとなったものの、会場で観戦すると、Bリーグの試合のよさを痛感する、ある特徴がわかった。
西宮のホームアリーナ・西宮市立中央体育館は、通常であれば1日あたり2000人程度を収容できるが、感染対策で1席ずつ間隔があいており、今は1000人以下の観客しか入ることができない。また普段であれば、西宮の選手らが攻め込むときには「GO!GO!ストークス!」、守りに転じた状況では「ディフェンス!」など、ファンの大きな声援が飛ぶ。しかし、2020-21シーズンは新型コロナウイルスの影響で「大きな声で歌を歌う」「大きな声を出しての応援」「指笛」は、リーグ規則により禁止。ファンは手拍子やスティックバルーンを叩いて音を出すなどの応援を求められている。
■ファンの声援を「録音」して会場に流す
そのなかでも、今回の西宮ホームゲームでは、事前にファンのかけ声を録音したものが会場に流れ、試合の雰囲気づくりをアシスト。コート内にいた選手はこれをどう感じたのか。今季から西宮でプレーする渡邊翔太(27)は、「いいプレーが出た瞬間の、一瞬で高まる感じは録音できないが」としつつも、「いつものシーズンのような応援だな、と感じた」とコメント。反応は上々だ。クラブの広報は、「今後はファンが自宅などで録音した声を集めて会場で流すことも検討している」という。
■ファンは「やっぱり、声を出して応援したい」が……。「違和感を感じない」という意見も
ある40代の男性ファンに話を聞くと、「試合が見られるだけでありがたいことはわかっています」としたうえで、「でもやっぱり、声を出して応援したいですよ。選手だけでなくファンも一緒に戦っているんだ、という実感がどうしても乏しいので」と率直な心境を吐露する。一方で、30代の男性ファンは、「プロ野球やJリーグの応援にも行きますが、Bリーグの試合会場にはノリのいい音楽が流れ、常にDJが盛り上げています。会場で応援するのは約1年ぶりですが、あまり違和感はありません」とBリーグの応援スタイルに大きな変化はないと感じているようだ。
■クラブの徹底したコロナ対策