兵庫県の西部、上郡町産のぶどうを使ったワインが、まもなくお目見えする。そのぶどうを育てているのは、赤穂郡上郡町にある「しらはた農園MOTO」の田中源道さん。
田中さんは、もともと、姫路市でサラリーマンをしていたが、「ぶどうを作りたい!」という昔からの思いから、脱サラ。ぶどう農園を求めて全国を歩き回った。その際に、ワイナリーをしている方々と知り合い、「ワイン用ぶどうも生産したい」と、さらなる夢を持った。そして念願叶い、赤穂郡上郡町で、自分の条件に合った農園を譲り受けることができ、夢への第一歩を踏み出した。
しかし、最初は上郡町ではなかったという。他県で、農園と住居が決まり、「いざ!」というタイミングで上郡町の職員が田中さんの話を聞きつけ、「ぜひ、見て欲しい農園がある」との話が舞い込んで来た。当初は「決まっている」と断っていたが、職員の熱意に打たれ、農園を見に行ってみた。そこで目にした圃場(ほじょう)の雰囲気や、潅水(かんすい)する際に近くを流れるきれいな川の水を使用しているなど、とても魅力的なものだった。田中さんは決まっていた場所を断ると、すぐさまここに決めたという。それが、今の「しらはた農園MOTO」だ。
農園自体は、2年前の5月に譲り受けたが、前オーナーのもとで1年間勉強し、昨年(2019年)5月から、本格的に栽培を始めた。それは改善につぐ改善で、修行をしながらの試行錯誤だったが、今では夢であったぶどうを育てている。
次なる目標はワイン。昨年は、テストとして試作品を作った。今年は酒販の免許を取得し、600本ほどを目標に掲げ、ついに正規品を販売する運びとなった。ワイン名は未定だが、これから名前が付き、販売されるとなると、とてもワクワクするという。
ワインは、愛媛県大三島で醸造される。場所は離れているが、田中さんにとって条件がいいそうだ。また、大三島は果実系が強いこともあり、適しているのではないかという。
販売は今年の12月頃を予定している。製法により、「フルボディで濃厚」なワインではなく、「マイルドでかわいらしい」ワインになるという。
現在、ネットでの購入もできるよう準備が進んでいる。播州百日どりの唐揚げに、上郡町産ぶどうのワインでクリスマスを過ごすと、あなたも兵庫ツウ?!
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』~「ぐるっと西播磨」より