それは、まさに隠れ家のようなお店。兵庫県相生市の西側をぶらり歩いていると、植物に囲まれた建物が見えてきた。中に入ると、そこにはメルヘンな世界が広がる。不思議な世界に来たような感覚を楽しめる、絵本図書館&カフェ「ゆう風舎」だ。
経営するのは、高原道人さん。
メインは絵本図書館とカフェだが、雑貨や手芸材料なども販売している。創業28年。建物は、引っ越してきた際に建てた物でまだ新しいという。絵本図書館という名の通り、置いてあるのは絵本のみ。高原さんの趣味で集めていた絵本がほとんどで、一部、友人から譲り受けたモノもあるとか。
建物自体、植物やテラスに囲まれてメルヘンな雰囲気があるうえ、中に入ってもレトロな物が出迎えてくれる。本当に、不思議の国に迷い込んだアリスのような気持ちだ。
図書館といっても、貸し出しは行っていない。その場で手に取り、読んで楽しむ。これが「ゆう風舎」のルールだ。
有名な絵本から、知る人ぞ知る絵本、飛び出す絵本まで、見事なラインナップで、お店の世界観だけでなく、絵本自体にも飽きさせない。世界各国の翻訳された絵本が所狭しと並ぶ。「絵本を通して、いろいろな国が見える」と高原さんは教えてくれた。
また、図書館内の絵本の並びは気まぐれに変わる。まず、テーマを決めて、そのテーマに沿った並びで本棚に収まる。いつ来館しても、いろいろな絵本を見つけることができそうだ。
高原さんは、もともと、小・中学校の図工・美術の先生をしていた。ある日「もっと違うことがしたい」と思い、出身地に戻ってきた。