神戸が世界に誇る「神戸医療産業都市」の一般公開が、この10月31日に開かれる。普段踏み入れることのできない各施設の研究や最先端の技術に触れて学んでもらおうというもので、例年子どもから大人まで多くの人が詰めかける。今年は新型コロナウイルスの影響で初のオンラインでの開催ということで、その見どころを神戸医療産業都市推進機構と理化学研究所の担当者に聞いた。
――そもそも「神戸医療産業都市」とはどういった場所ですか。
神戸医療産業都市はエリアの名前でもあり、阪神・淡路大震災の時に神戸市が始めたプロジェクトの名前でもあります。神戸市の人口島・ポートアイランドで、医療関係の研究機関、企業、病院、大学が集まって連携して新しい治療法や医療機器などを開発しています。
――そんな秘密が多そうなところを……一般公開するんですね!
研究施設や病院などの中のことはあまり知られてないと思いますが、それを年に1回公開しています。大学のオープンキャンパスみたいな感じで、「模擬実験」「病院見学ツアー」などを楽しんでもらうイベントを毎年開催してきました。
ただ今年はコロナウイルスの影響もありオンラインで開催します。WEB上でも様々な体験や学習ができるように特設サイトを作っているところで、当日10時に公開します。
――オンラインならではの見どころは?
例えば甲南大学が作成した「細胞パズル」を楽しめます。皮膚の小さな細胞を拡大したものをタブレットを触って動かし、パズルが完成すれば皮膚が見えてくる仕組みになっています。パズルであれば細胞を凝視しながら作業するので、みなさんが細胞に興味を持つきっかけになればと思います。
――神戸医療産業都市といえば、スーパーコンピュータ・富岳もありますが、バーチャルツアーも開催されるんですね。
富岳は、横幅40メートル、奥行き50メートルほどの大きさ。1秒間に41京(けい:1億の1億倍)回の計算ができる世界最大にして最速のスーパーコンピュータです。最近ではコロナウィルス対策ということで、マスクがどのくらいキメがあるか、飛沫がどのくらい飛ぶかを計算をしたり、コロナウイルスに効く薬を見つける研究をしています。
■「神戸医療産業都市 一般公開on the Web」
神戸医療産業都市推進機構
https://www.fbri-kobe.org/kbic/ippankoukai/