尼崎市で3日、発砲された暴力団関係者2人が負傷した事件で、撃たれた特定抗争指定暴力団「神戸山口組」傘下組織幹部(61)は兵庫県警の事情聴取に対し「歩いているところを呼び止められ、拳銃で数発撃たれた」などと説明し、逃走中の2人とは面識がないという。発砲したとみられる男2人はいずれも40代とみられ、ワンボックスカーに乗って現場から離れた。使用した拳銃を所持しているとみられる。
捜査関係者によると、現場の状況や2人の負傷の度合いから、撃った2人組は至近距離からあえて急所を外したとみられるという。幹部は左手を撃たれ、もう1人も60代の暴力団関係者とみられ、両脚の太ももから出血していた。いずれも命に別条はない。
六代目山口組と神戸山口組、双方が本拠地とする兵庫県内で暴力団員が関係する銃撃事件が起きたのは約1年ぶり。尼崎市内では2019年11月、この傘下組織のトップで神戸山口組幹部(当時59)が路上で自動小銃で射殺される事件が発生、特定抗争指定暴力団「六代目山口組」系元組員が逮捕された。兵庫県警捜査本部は今回の事件との関連を調べる。これら「2つの山口組」の抗争激化を受け、兵庫や大阪などの公安委員会は2020年1月、それぞれを特定抗争指定暴力団に指定し、神戸市や尼崎市などの「警戒区域」で組員らの活動を厳しく制限している。