秋の新作ドラマがやっと出そろいました。大のドラマウォッチャーでもある私がお気に入りの番組を順不同で5つご紹介します。
『危険なビーナス』(TBS系 日曜午後9時から)
あの『半沢直樹』のあとを受けて登場。東野圭吾のミステリーが原作で、30億円の遺産を巡る矢神家の騒動が軸になる。獣医・伯朗(妻夫木聡)には失踪した弟がいた。ある日、その妻だと名乗る楓(吉高由里子)が突如登場。遺産争いはさらにややこしくなる。小悪魔的でミステリアスな吉高、誠実で女性に弱い妻夫木の関係も気になり、今後の成り行きの予測がつかない。
『七人の秘書』(テレビ朝日系 木曜午後9時から)
普段は影の存在である秘書たちが結束し悪に立ち向かうという勧善懲悪ドラマ。各社の秘書には木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、大島優子らが扮し、ここに訳ありの元秘書として室井滋、江口洋介が加わる。個性派揃いの中、映画『新聞記者』で注目を集めたシム・ウンギョンの存在が異彩を放つ。あの『ドクターX』の中園ミホのキレのいい脚本がさえる。
『恋する母たち』(TBS 金曜午後10時から)
原作・柴門ふみ、脚本・大石静という恋愛もの最強タッグによる3人の妻たちの物語。木村佳乃、吉田羊、仲里依紗が演じる主婦たちが知らず知らずに恋に堕ちていく。人気落語家を務める阿部サダヲの怪演も注目。かつての「金妻」を彷彿とさせる仕上がりもなつかしい。
『共演NG』(テレビ東京系 月曜午後10時から)
「共演NG」という業界用語に目をつけた秋元康が企画・原作のテレ東ドラマ。遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)は元恋人同士で、別れてからはずっと共演NGだった。それが今回25年ぶりに共演という設定。ドラマ制作の舞台裏もリアルに描かれた大人のラブコメ。従来の経済ドラマ枠に一石を投じるテレ東の挑戦作でもある。
『24 JAPAN』(テレビ朝日系 金曜深夜枠 地域によって時間不定)
あのアメリカで大ヒットしたドラマの日本版。テロ対策ユニットの班長には、この原作ドラマの大ファンだったという唐沢寿明が扮する。24時間の暗殺騒動を1話1時間というリアルタイムで表現する手法には思わず手に汗握ってしまう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
これら5作品に共通するのはキャストもさることながら、原作・脚本・企画がしっかりしているところ。選には漏れたがハートウォーミングの名手・岡田惠和が脚本の『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)や、シーズン2に入って2クール放送を英断した『監察医 朝顔』(フジテレビ系)にも注目。(羽川英樹)