2020年の1年間で1500メートルと3000メートルの2つの日本記録を更新するなど注目される陸上女子の田中希実(21)が地元・兵庫県に凱旋した。
新型コロナウイルスの影響で2021年度に延期となった、第10回神戸マラソン。その代替イベントとして14日、兵庫県立三木総合防災公園(三木市)で行われた「フレンドシップリレーマラソン」に、田中はゲストとして参加。トークセッションでは日本新記録の賞品や趣味について明かした。
■日本新記録の賞品は「生きた子牛」だった
田中は2020年7月の「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2020」女子3000メートルで優勝。福士加代子(ワコール)の持つ日本記録を18年ぶりに更新し、3秒以上塗り替える8分41秒35を記録した。その際、記録更新の賞品として「『生きた子牛を一頭いかがですか?』と言われたんですけど……残酷なのでお断りしました(笑)。代わりにきちんと精肉されたものをいただきました」と明かした。記録を出したのは北海道の深川市陸上競技場で、なんとも北海道らしい賞品が用意されたようだ。
■小学生の時は100メートル20秒
実は、田中は幼少期から足が速かったわけではない。「小学生の時の100メートルのタイムは20秒です。(兵庫県のマスコットである)はばタンと最下位争いを繰り広げたこともあります(笑)」。常にナンバーワンではなく、「今でやっと(100メートル)14~5秒」らしい。トップスピードの維持と強い精神力で好記録を連発していることになる。
■趣味は読書。「陸上を嫌いになったことはない」
息抜きの方法としては読書を上げた。「陸上でギスギスしていたら読書をする気がうせてしまいます。陸上の大変な時期が終わったら、穏やかに本を読みたいな、といつも考えて走っています」という。愛読書は「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」シリーズだといい、児童文学に興味を持っているようだ。「親指姫」などで知られるアンデルセンの故郷、デンマークを訪れたこともある。ストイックな競技生活を送る中でも、「陸上を嫌いになったことはない」とキッパリ。