「人間の意地悪なところを愛情をもって描く」岩松了&平田オリザが語るセリフ芝居の魅力 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「人間の意地悪なところを愛情をもって描く」岩松了&平田オリザが語るセリフ芝居の魅力

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 演劇界の重鎮による対談が実現! 平田オリザさんの冠ラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)に、劇作家・演出家の岩松了さんが登場。お互いの出会いや印象、演出方法の違いなどを存分に語りあった。

岩松了さん(中央)をはさんで写真におさまる番組パーソナリティーの平田オリザさん(右)と田名部真理さん(左)(写真:ラジオ関西)
岩松了さん(中央)をはさんで写真におさまる番組パーソナリティーの平田オリザさん(右)と田名部真理さん(左)(写真:ラジオ関西)

 互いの印象について、平田さんは「(岩松さんの作品は)人間の意地悪なところを愛情をもって描く、まさにチェーホフの世界。それが素晴らしい。岩松さんの芝居はとにかくセリフが面白いですしね」と、10歳上の先輩を絶賛。

 岩松さんは「まだ、平田くんのことをよく知らないときに、『岩松さんと似た作品を書く作家がいる』と言われてね。自分に似てるってイヤだなぁと、しばらく見ない時期があったんだけど(笑)、実際見てみると、全然違う。『平田くんは平田くんの演劇をやっているなぁ』って」と、一目置く存在だったようだ。

 この話を受けて、平田さんは、「その時に、岩松さんに『緊張感があったのが良かった』と言っていただいたことを今でも覚えている。似た系列のお芝居で失敗するとダラダラする(笑)、だからそこを褒めてもらってうれしかった」と、当時を振り返った。

 一方、演出のアプローチについて、平田さんと岩松さんでは、それぞれ異なるようだ。

 岩松さんは「僕は人間の内面に入りすぎちゃう。普通、演出家というとビジュアル的なものをまず考える人が多いと思うんだけど、僕は真逆。意味にとらわれているセリフを何とかはぎとりたい!っていう気分になってくる」。

 対して平田さんは「私は短いスパンでやっていくので、タイミングとかコンビネーションを重視します。ただ、『相手のどのセリフで反応してるの?』というところにはこだわる。俳優は全部聞きすぎるので、もう少し『反応』を大事にしたい」とこだわりを明らかにした。

『平田オリザの舞台は但馬』収録の様子(写真:ラジオ関西)
『平田オリザの舞台は但馬』収録の様子(写真:ラジオ関西)

※次回の番組では、2009年から兵庫県立ピッコロ劇団の代表も務める岩松了さんに、演劇と地域の関わりについても話を聞く予定

※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2020/11/19/木 13:00-13:25

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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