これはラクウショウの「気根(きこん)」といいます。池の周りですと水が根っこを浸してしまいます。すると呼吸できなくなりますので、根っこの一部が表面に出てきて、そこで呼吸できるようにしています。
――根っこはそのまま伸びていくんですか!
水面に近ければ近いほど大きくなります。だいたい70~80センチくらい。小さい子どもと背丈が変わらないくらいになります。
――上だけでなく足元にも目を凝らすと、楽しみ方が増えますね! ところで紅葉するということは、木にとって必要なことなんですか?
日本は四季があり、冬は寒いです。冬になると、葉っぱが作るエネルギーの量より葉っぱが消費するエネルギーの量の方が多くなってしまいます。ですから、葉っぱを落とした方が木にとっては有利になるんです。もったいないので葉を落とす前に葉っぱから木の中に栄養分を戻します。その途中に葉っぱの色が変わる過程が紅葉になる、というわけです。木もいろいろ考えて生きていますね。
森林植物園には早く色づくものから遅く色づくものまで、いろんな種類がありますので、だいたい11月の下旬頃までは楽しんでいただけると思います。二度、三度と足を運んでいただければと思います。
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神戸市森林植物園の「森林もみじ散策」は、11月30日まで。複数のエリアでライトアップが行われており、午後4時30分頃から点灯して、平日は午後6時30分、土日祝は午後7時30分までライトアップ。
期間中は無休で開園。入園料は大人300円、子ども150円。期間中はさまざまなイベントも開催され、おいしそうなスイーツの販売も。
お話:神戸市森林植物園 井上隆司園長