明智光秀ゆかりの地として注目される兵庫・丹波について、歴史をはじめ多面的に取り上げる『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』(ラジオ関西)。12月3日の放送回では兵庫県丹波市市島町にある石像寺の枯山水庭園、重森三玲作庭の「四神相応の庭」について、石像寺の佐久間正昭住職にうかがいました。番組パーソナリティーは、「兵庫・神戸のヒストリアン」として活躍する田辺眞人・園田学園女子大学名誉教授と、久保直子です。
佐久間住職が着任されたのは1974(昭和49)年。このお庭ができたのが1972(昭和47)年ですから、最初の頃からご覧になっています。このお庭の様子は基本的には変わっていないものの……、6年前の平成26年8月丹波市豪雨災害のときには、この庭も本堂も土砂で埋没したそうです(現在、修復が完了しています)。美しく修復された石像寺「四神相応の庭」を眺めながらお話をお聞きしました。
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◆四神(田辺先生が佐久間住職に聞く)
【田辺】 「四神相応の庭」の「四神」とは、四つの方角を守る神。古代の中国の思想で四つの方角を守る動物的な神で、東に「青龍」、西に「白虎」、南に「朱雀」、北に「玄武」が、それぞれの方向に安置されています。
【佐久間住職】 「四神」は、高松塚古墳で有名になりました。ちょうどその高松塚古墳が発掘された頃に、この庭ができました。重森さんは非常に良いタイミングで発掘されたとお喜びでした。当然、青いところには青い砂、黒いところには黒い砂と、(作庭された際には)色分けしてあります。
【田辺】 青龍と白虎は阿波の青石と白石、赤い色の朱雀は京都の鞍馬の石、玄武はここ丹波市市島町の黒い石が使われています。それに合わせ、周りに細かい砂利(青・赤・白・黒の砂利)、砂のところにも波紋が描いてあり、抽象的な枯山水になっています。枯山水というのは、見る人によって瀬戸内海の島々とみても良ければ、雲海に突き出している山と見ることもできます。重森三玲さんの特色があらわされたお庭ですね。
『ラジオで辿る光秀ゆかりの兵庫丹波』2020年12⽉3⽇放送回音声