井戸・兵庫県知事 クラスターと医療体制ひっ迫懸念 年末年始の帰省など「各自判断で」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

井戸・兵庫県知事 クラスターと医療体制ひっ迫懸念 年末年始の帰省など「各自判断で」

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 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない現状を受け、兵庫県は10日、32回目の対策本部会議を開いた。終了後に会見した井戸敏三知事は、「約20日近く、直近1週間の1日あたりの感染者数が100人を超えており、なかなかピークアウトしない状況だ。重症者の数も少しずつ増えてきており、医療体制のさらなるひっ迫が懸念される」と現状を説明した。

 県内では11月以降、計63か所の医療機関や福祉施設、学校などで768人が感染。井戸知事は「ここ一週間の感染者数のうち、半数以上(56.5%)がクラスター(感染者集団)関連」と危機感を募らせた。県民には「クラスター化させないためにはどうしたらいいか。家庭や職場、医療機関や福祉施設にウイルスを持ち込まない対応を」と改めて呼びかけた。

ピークアウトしない感染者数に井戸知事、医療体制ひっ迫懸念(10日夜 兵庫県庁)
ピークアウトしない感染者数に井戸知事、医療体制ひっ迫懸念(10日夜 兵庫県庁)

■クラスター対策さらに徹底 新たに入院病床100床、宿泊病床300床を確保目指す

 こうした状況を受け、県は希望する施設を対象に、新たに働く職員や新たに入所・利用する人にPCR検査を行うなど、社会福祉施設における感染予防をさらに徹底する。また、入院病床は650床から100床程度増やす方針だが、10日現在では671床となっている。新たな宿泊病床は約300床を確保済みで、早ければ12月中旬に合計1000床の運用がスタートする見通し。医師の判断により、リスクの低い軽症者について入院を経ずに宿泊療養できる仕組みも継続する。

■近づく年末年始 医療機関へ通常体制を要請 

 県は医療機関などに、年末年始でも通常と同様の体制を確保するよう要請する方針。その際、感染患者の入院を受け入れる際、1人・1日あたり1万2千円としている経費の支援を、2倍の2万4千円とするという。

 また、井戸知事は「年末年始・感染防止緊急呼びかけ」を発表。「不要不急の、東京や大阪などの感染拡大地域への往来や外出を控え、検温やマスクの着用などを徹底してほしい。また、初詣や成人式といった行事の前後は行動に注意して」と呼びかけ、「(距離などについては)各自の判断で」と付け加えた。一方で、「エリア的なクラスターが発生していない」として、飲食店への営業時間の短縮要請などは行わない考えを表明した。対策本部会議の議題にも上がらなかったという。

■兵庫で149人感染 100人以上、10日連続

 兵庫県は10日、新たに149人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。10日連続で100人を超え、県内の感染者の総数は6998人となった。直近1週間の1日あたりの感染者数は136.9人。1人が死亡し死者は104人に。10日午前0時現在の県内の入院病床使用率は、入院が約7割、宿泊が約4割となっている。

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