カタールで集中開催されているサッカーのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2020東地区。初出場でベスト8に進んだヴィッセル神戸は、10日に韓国の水原三星と対戦。PK戦までもつれた激闘を制して、ベスト4進出を決めた。
中2日の過密日程で迎えたこの試合も、MF山口蛍選手をはじめ主力の多くがスタメンに名を連ねるなか、前の試合で右太ももを負傷したキャプテンのアンドレス・イニエスタ選手はベンチスタート。
試合は、立ち上がりから水原三星の圧力に押されるヴィッセルが、前半7分に失点。ゴール前に上がったクロスボールをパク・サンヒョク選手に上手く頭で決められ、早い時間から追いかける展開に。
ヴィッセルは水原三星の堅い守備をなかなか崩せずにいたが、前半35分に西大伍選手がゴール前で倒されてPKを獲得する。PKを蹴るためにドウグラス選手がボールをセットするも、ここで主審がVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を確認し、ファウルはペナルティーエリアの外と判断され、PKからフリーキックに変更。西選手を倒したキム・テファン選手にはレッドカードが提示され、一発退場に。
このフリーキックを蹴ったのは、古橋亨梧選手。水原三星が作った壁の下を抜けるグラウンダーのシュートを放つと、ボールはゴール左に吸い込まれた。前日にゴールを誓っていたエースストライカーの一撃で、ヴィッセルが1-1の同点に追いつく。
相手の退場で数的有利となったヴィッセルだが、攻撃の連携がかみ合わず、攻めあぐねる時間帯が続く。反対に水原三星のカウンターにあわやというピンチも多くみられたが、GK前川黛也選手やDFトーマス・フェルマーレン選手をはじめとする守備陣が身体を張ったプレーでしのぎ、試合は1-1のまま90分を終えた。
延長戦に入ると体力を消耗するなか、互いに決定機を迎えるが、スコアは動かず。120分の戦いを終え、試合はついにPK戦に突入。ヴィッセルの1人目は延長後半途中から出場したイニエスタ選手。ゴール中央にしっかりと蹴り込んだが、負傷した右太ももを抑えながら痛みに耐えていた。
PK戦はお互い6人目まで全員が成功し、迎えた7人目。先攻の水原三星はチャン・ホイク選手がクロスバーの上に外したのに対し、ヴィッセルは藤本憲明選手が冷静に決めて、死闘に終止符を打った。