久本雅美「新年初笑いを全力で届けたい」松竹新喜劇・新春公演に出演【インタビュー】

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 1958年生まれ、大阪府出身の久本雅美さん。劇団ヴォードビルショーを経て、1984年に「WAHAHA本舗」を設立し、テレビやラジオ、舞台と幅広く活躍中だ。今回は、松竹新喜劇で2021年1月1日から7日まで行われる「初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演」について話をうかがった。

久本雅美さん
久本雅美さん

◆京都で迎えるお正月

――年末年始に、京都で公演をされるんですね。

もう本当にありがたいことですが、私の人生において、京都でお正月を迎えるというのが4回目になります。だんだん京都という他所の中に、みやびさの中に、なじんできたかなと思いますが、本当に楽しみにしています。

――もう「正月の京都の顔」に、なりつつあるんじゃないでしょうか?

いやいや、そんなオーバーなもんじゃないんですが。でもね、やっぱり不思議なもので、劇場の隣にあるお蕎麦屋さんで年越しそばをいただきながら、お正月を迎えるのが楽しみになってきましたね。

――2020年の年始も京都公演でしたが、その後、新型コロナウイルスの影響でお芝居も飛んでしまったんですよね?

そうですね、予定していただいていたお芝居が3本ほど飛びましたので……今年のお正月に、松竹新喜劇さんの南座でやらせていただいた以来になります。

――ということは、1年ぶりですか?

1年ぶりなんです! 人生において1年ぶりに舞台をやる、っていうのはもう初めてに近いですね。たぶん初めてだと思います。なんだかんだ言いながら、1年に1~2本はやっていましたので。それがもう1年間やらなかった、ということ自体が初めてですね。

◆久々に立つ舞台への想いとは

――ブランクというものは、やはり想像以上に感じられるものでしょうか?

どうなんでしょう……、でも正直、もう40年近くやってますからね(笑)。ブランクは感じないと思いますが。逆にね、コロナになっていろいろと自分がやらなきゃいけないことや、やるべきことっていうのを、再度見つめ直させていただきました。「やっぱりお客さんあっての自分やなぁ」と。テレビの仕事とかも好きでやらせていただいてますが、出身が舞台ですし、劇団員でもあるわけですから、やっぱり“生の舞台”っていうのは、自分のなかの根本ですので。もう、舞台ができるっていうこと自体が、めちゃめちゃありがたいし、うれしいです。

――やはり「出たくてしょうがない」という気持ちが強いですか?

そうです! だんだん舞台も解禁になってきまして、ソーシャルディスタンスをとりながら舞台をやっている方も増えてきましたでしょ? それで、私も何本か観たんです。やっぱりね、舞台の生の醍醐味、おもしろさ、緊張感、楽しさ……「舞台ってええなぁ~!」と思いながら観て帰ってきました。そこにいよいよ自分が立てるのか、という喜びの方が強いですね。

◆演目『鴨八ネギ次郎』について

――今回は、Aプロ・Bプロとある内のBプロにご出演されるんですね。

そうですね、Bプロの『鴨八ネギ次郎』というほうに。ありがとうございます、出させていただくということで。

――これは、漫才コンビを中心にそれぞれの人間関係が描かれるお話なんですね。

そうですね、扇治郎くん(藤山扇治郎)と泉姉さん(泉しずか)が漫才コンビで、舞台上ではすごい仲が良いんだけど、普段は仲が悪いと(いう設定)。その2人の親を、私と文童さん(曽我廼家文童)が演じます。ところがこの親同士が、実は熱愛をしてるという。駆け落ちするくらいの恋仲だっていうことを、なかなか子どもたちに言えなくて、そのなかでドタバタする。それぞれの人間関係、恋模様が織り成される、ラブコメディみたいなもんですね。

――松竹新喜劇は、人の心の機微に触れつつ、ややこしい人間関係を描くイメージがありますが……。

そうですよね。人情話でもあるんですが、そこはもう笑いで、ややこしいけど上手いこと運んでいって、最後はハッピーエンドになるみたいなね。そういう「笑って、考えさせられて、グッときて、それでまた笑って」っていうホッコリした、ホッとするような楽しい気分になって帰れるようなお芝居が、松竹新喜劇です。まさにそれが楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

◆大先輩と、初の“恋仲”を演じる

――曽我廼家文童さんと、お芝居をするのは久しぶりですか?

同じ演目で、同じ舞台に立たせていただいたことは何回もあるんですが、タッグを組むというか、ましてや恋仲のコンビをするっていうのは初めてです。私は文童兄さんが本当に大好きで、お芝居の立ち振る舞いや、笑いに対するセンスだとかもう大尊敬してますし、「本当に気持ちの良いお芝居しはるなぁ!」って、いつもいつも感動していたので。その大先輩のお胸を借りて、イチャイチャしたろと思ってます(笑)。

――文童さんなら、何でも“受ける”でしょうね。

ホンマにそうなんですよ! 私が松竹新喜劇で初めて出させていただいたとき、ド緊張しているなか、寛太郎兄さん(曽我廼家 寛太郎)と夫婦役だったんです。そこに上司の文童兄さんが来られるわけですが、なんやかんや揉めて、寛太郎兄さんと夫婦喧嘩したときに私がボーンと突かれるんです。その稽古中、私はもう思い切って、文童兄さんの股間にガーン!と顔埋めたんですよ。で、どんな反応されんのかなって思ったらね、普通に私の顔持ち上げて「えらい元気な嫁はんでんなぁ」って言わはったんです(笑)。もうね、私それに感動して。普通「何すんねん!」とか「どないしたん!」とか、あるいは「ちょっとそこはやりすぎやで」とか「君、松竹わかってんの?」とか……。そう言われたらどないしようかとか思いながら、賭けやったんですが、それを笑いに変えてくれはったんですね。それ以来「わあ~、懐デカいし何でもおもしろがってくれる、すごい人やなぁ」と思っていますので。もう今度も……イチャイチャしたろと思ってます!

――その化学反応がまた起こるのか、楽しみですね。

おもしろいです! お兄さんがどういうふうな形で演じはるのか、私も勉強させてもらいながら、ついて行かせていただくんですけども。せっかく恋人同士でやるわけですから、やっぱり文童兄さんの素敵な魅力と、私の持っているものが上手く融合できて、化学反応が起きればええなって思ってます、ホンマに。

――渋谷天外さんと一緒のところを観たい!って方も、中にはいるかもしれませんね。

あー! そうですね、天外兄さんには天外兄さんのおもしろさ、魅力があるので。天外兄さんとは一昨年に組ませていただきました。なかなか一緒にさせていただくことがないですが、Aプロの方はめちゃめちゃ現代劇で、新進の演出家の方がやるっておっしゃってましたから。すごいおもしろい、また松竹新喜劇のおもしろさにプラスして、新しい風が吹くんじゃないかと。私たちのやるBプロの『鴨八ネギ次郎』は素材を大事にしながら、それぞれの個性が活かされた上で、これまたドタバタラブコメディをね、楽しんでいただけたら。それぞれまた違った魅力なので、「AプロもBプロもお見逃しなく!」ということで。

◆初のラブコメに挑戦、見どころは?

――久本さんご自身が演じる役で、どんなところを見てほしいですか?

松竹新喜劇でいろんな役をやらさせていただきましたが、ラブコメディっていうのが初めてなので……夫婦役とかはありましたけど、ラブラブな感じの恋人役を、文童兄さんみたいな大物の方と一緒にやるっていうのは初めて。もう本当にその、イチャイチャするところを……(笑)。

――強調しますね(笑)。

やっぱりほら、かわいくね。老いらくの恋かもしれないけど、かわいらしい夫婦に見えたらうれしいなって。「ええなあ、歳とってもこうやって2人で、仲良く恋してはんねんな~」っていうのは、見ていてほっこりするじゃないですか。そういう良い感じの、ほっこりした、お互いを思いやるコメディになればおもしろいなと思います。

◆新年、最高の幕開けを目指して

――新春初笑いということで、「コロナを吹き飛ばせ!」という想いも、皆さんおありでしょうね。

やっぱりこのコロナ禍の大変ななかでね、劇場に足を運んでいただけること自体がありがたいですし、来ていただいたからにはね、新年を笑いでもって進んでいただいて。嫌なこと忘れてもろて、ええ出発をしていただきたいなと思うんですね。笑いは人生において必要やと思いますし、何よりも活力になると、私たちもそう信じて全力で頑張りますので。ぜひ、新春笑いをこの松竹新喜劇でやっていただいて、最高の年の幕開けにしていただきたいと思っています。

――笑うと免疫が上がる、とも言いますしね。

上がりますよー! 免疫にええって言いますもんね! ですからぜひぜひ。もちろん「コロナやから行くの大変やな~」とかあると思いますが、南座さんが素晴らしいくらい徹底してコロナ対策してますから。びっくりするくらい。別の取材を受けたときに言われましたが「おそらくNo.1や」と言ってましたね。そういうこともちゃんとやったうえで、心の底から笑っていただいて、心身ともに元気になっていただきたい。私たちもお応えできるように全力で、良い時間を皆様と一緒に過ごしたいと思っています。ぜひ遊びに来てください、お待ちしています!

※ラジオ関西『PUSH!』2020年12月8日放送回より


久本雅美(ワハハ本舗ホームページより)
松竹新喜劇 公式サイト

【南座】初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演
<開催日時>
2021年1月1日(金)〜1月7日(木)
・1~3日 13:00開演【Aプロ】、16:00開演【Bプロ】
・4~7日 11:00開演【Aプロ】、15:00開演【Bプロ】
<演目>
Aプロ:『二階の奥さん』『新春ご挨拶』
Bプロ:『鴨八ネギ次郎』『新春ご挨拶』
<料金>
一等席 6,000円 / 二等席 3,000円 / 三等席 2,000円

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