~京・灘・播磨 冬にピッタリ『おうち酒』~ 《参》播磨・山陽盃酒造 果実酒・シードルに挑む | ラジトピ ラジオ関西トピックス

~京・灘・播磨  冬にピッタリ『おうち酒』~ 《参》播磨・山陽盃酒造 果実酒・シードルに挑む

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「其の参」は江戸時代末期・天保時代に創業、180年以上の歴史を持つ奥播磨の酒蔵、山陽盃酒造(本社・宍粟市)。クリスマスパーティーなどでの乾杯酒や、自分へのごほうびとして楽しむシードル『RonRon』(720ml瓶/360ml瓶)の販売を8日から始めた。宍粟市、豊岡市にある3つの農園で収穫された、兵庫県産のリンゴが使用されている。

江戸時代末期・天保時代に創業、180年以上の歴史を持つ奥播磨の酒蔵、山陽盃酒造が果実酒に初挑戦。シードル『RonRon』を発売した
江戸時代末期・天保時代に創業、180年以上の歴史を持つ奥播磨の酒蔵、山陽盃酒造が果実酒に初挑戦。シードル『RonRon』を発売した

 日本酒『播州一献』ブランドなどで広く知られている山陽盃酒造が、日本酒以外の酒造りに挑むのは創業以来はじめて。兵庫県内でシードルを造るのは山陽盃酒造の一蔵のみだという。シードルとは、りんご果汁を発酵させて造るお酒のことで、フランスでの呼称。イギリスやアイルランドでは「サイダー」、アメリカでは「ハードサイダー」、ドイツだと「アプフェルヴァイン」、スペインでは「シドラ」と、国によって呼称は異なる。

 商品名のロンロン(RonRon)とは、フランス語で猫が幸せな時に喉を鳴らす擬音。山陽盃酒造の杜氏・壺阪雄一さんは名付けた理由を、「いつでもどこでも、猫と戯れるような幸せな時間を過ごしてもらいたいから」と話す。

■味わいは2種類、アルコール度数は5%

『RonRon』では、「セミスイート(甘口)」と「ドライ(辛口)」の2種類の味わいを用意する。「セミスイート」は、りんごを丸かじりしたように甘く、さわやかな香りがそのまま伝わってくる。「ドライ」は、爽やかで軽いタッチの香りで、「食べながら飲む」ことをイメージ。洋食はもちろん、和食にも合うが、カレーなどの辛味のある味の濃い料理との相性は抜群だという。

「セミスイート」は、りんごを丸かじりしたように甘く、さわやかな香りがそのまま伝わってくる
「セミスイート」は、りんごを丸かじりしたように甘く、さわやかな香りがそのまま伝わってくる
「ドライ」は、爽やかで軽いタッチの香りで、「食べながら飲む」ことをイメージした
「ドライ」は、爽やかで軽いタッチの香りで、「食べながら飲む」ことをイメージした

 アルコール度数はいずれも5%と、日本酒の15%などに比べるとかなり低く、すっきりと楽しめる。クリスマスプレゼントで探す人も多く、冷蔵庫でよく冷やすと、よりおいしく飲める。炭酸ガスのパンチも効いており、シャンパン感覚で楽めそうだ。

 壺阪さんは「日本酒と果実酒は、同じ醸造の分野。作り始める前は日本酒の知識だけでシードルもできるのではないかと考えていたが、温度やガスの圧力などで試行錯誤を重ねた」と話す。構想から約2年、造り始めから半年近く経って製品化した。シードル造りには専用の酵母を使うことが多いが、酒蔵としてあえて、日本酒「播州一献」の大半で使用される酵母を発酵の際に使うすることで、酒蔵としてのアイデンティティを表現する。

 2018年11月に発生した火災事故では酒蔵が半焼した山陽盃酒造。壺阪さんは、「あたりまえに酒造りできる喜び、この地で酒づくりする意味を再認識した」といい、「日本酒は面白い世界で、もっともっと極めていかなければならないが、シードル造りもまた違って面白い。今後は双方から極めていきたい」と意欲を見せる。

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