2020年『密』に思う《4》~寄り添う心と心、でも埋められない距離 ひとり孤独と思わずに | ラジトピ ラジオ関西トピックス

2020年『密』に思う《4》~寄り添う心と心、でも埋められない距離 ひとり孤独と思わずに

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寄り添う心と心、でも埋められない距離
寄り添う心と心、でも埋められない距離

「つながりが一番大事だと思っていたのが、人とのつながりが継続できないのが辛い」と嘆く。被災地で被災者と会い、さまざまな現実を聞いて語り継いできたが、2020年は現地へ行くことができなかった。三陸海岸の食の魅力や人の魅力を発信するには、やはり会いに行きたい。会って話がしたい。このままでは活動の継続も危ういという。

学生団体 ToKu 代表・森川颯太さん(大学2年)「心と心の距離、空けたくない」
学生団体 ToKu 代表・森川颯太さん(大学2年)「心と心の距離、空けたくない」

 森川さんは「被災地ではコロナ感染者の住む家に石を投げて非難したり、誹謗中傷の言葉を投げかけるなどの悲しい現実もある」と聞いた。関西・首都圏といった感染者の多い地域と、東日本大震災で被災した三陸一帯など、比較的コロナ感染者が少ない地域との意識の差もあると話す。

「115㎝ 小学1年生の平均身長」津波の高さをわかりやすく図示 身近に被害を知ってもらいたい
「115㎝ 小学1年生の平均身長」津波の高さをわかりやすく図示 身近に被害を知ってもらいたい

 東日本大震災が起きた2011年、小学1年だったという高校生の男女も男子学生とともに活動している。「実際に被災された方々と会って話がしたいです。確かにZOOMミーティング(オンライン会議)で被災地のみなさんと話ができますが、 遠距離の移動の自粛が求められると被災地と行き来ができない、被災地を肌で感じることができないんです。映像でしか知らない東日本大震災。新型コロナウイルスに対して世界中でどのように対処するか真剣に考えているのだから、3.11の悲惨な出来事、津波の恐怖や減災の方法などが忘れられないよう、改めてこの時期に問題提起したい。コロナの影響で、東日本大震災の被害について忘れ去られてしまうんじゃないかという被災地の声もあります。被災地のみなさん、ひとりじゃないんだと元気を出してほしい」とコロナ収束を待っている。

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2020年「今年の漢字®」第1位「密」 漢字ミュージアム・エントランスで展示《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》
2020年「今年の漢字®」第1位「密」 漢字ミュージアム・エントランスで展示《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》

 目に見えない「コロナウイルス」という敵と向き合った2020年が終わる。『密』の一文字に思うことを問うと、物理的な距離感ではなく「心の距離感」をどう保つかを答える人が多い。12月28日掲載の日本漢字能力検定協会・山崎信夫理事の分析のように、 withコロナの生活スタイルがより求められる2021年、心と心で密接になりたいという気持ちはさらに強まるのだろう。

 2020年『密』に思う《完》

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