阪神・淡路大震災26年「プレートの“ひび”と“ずれ”とは違う」3つの大震災から学ぶこと 西影裕一さん(日本地震学会) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

阪神・淡路大震災26年「プレートの“ひび”と“ずれ”とは違う」3つの大震災から学ぶこと 西影裕一さん(日本地震学会)

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 プレートの「ひび」が原因の地震。プレートが押されるとプレート内部で弱い所にひびが入ります。これを内陸型地震といい、山崎断層地震(868年)、阪神・淡路大震災、熊本地震がこれにあたります。内陸型地震はM7クラスで、プレート境界型地震より規模が小さいです。規模が小さいと言っても大都市の直下で起こることが多いので甚大な被害が出ます。

阪神・淡路大震災 ビル倒壊(神戸市中央区西町・大丸神戸店南側)
阪神・淡路大震災 ビル倒壊(神戸市中央区西町・大丸神戸店南側 ※画像提供・西影裕一さん 1995年2月2日撮影〉
倒壊したビル〈神戸市中央区江戸町・旧居留地「江戸町ビル」 ※画像提供・西影裕一さん 1995年2月2日撮影〉
倒壊したビル〈神戸市中央区江戸町・旧居留地「江戸町ビル」 ※画像提供・西影裕一さん 1995年2月2日撮影〉

 熊本地震で、益城町(ましきまち)の被害状況を見た時、26年前の神戸市内の惨状にタイムスリップしたような錯覚に陥りました。被害状況があまりにも似ていたからです。それはどちらも内陸型地震で市街地の直下で起こったからです。熊本地震は阪神・淡路大震災=兵庫県南部地震とそっくりであり、兵庫県南部地震を起こした六甲・淡路島断層帯と山崎断層帯は共役断層です。つまり山崎断層帯が地震を起こすと、その被害状況は熊本と同様の被害が起こるのではないかと考えられるので、熊本地震は決して他人事ではないのです。防災対策を真剣に考えなければならないのではないかと思っています。

 そして近年心配されているのが南海トラフ大地震です。この地震が起こると東日本大震災と同様、津波の被害が出ると考えられます。つまり、地震動による建物の崩壊、津波による被害が起こる可能性が高いので過去の大震災を生かさないといけません。

西影さんは「日本は300万年も前から東西に力がかかり圧縮され、プレート(岩盤)のひび割れが断層になっている」と訴える
西影さんは「日本は300万年も前から東西に力がかかり圧縮され、プレート(岩盤)のひび割れが断層になっている」と訴える
西影さんが2021年出版予定の「防災に役立つ姫路の地質・地形・地盤・断層データ」原本
西影さんが2021年出版予定の「防災に役立つ姫路の地質・地形・地盤・断層データ」原本

 防災の一番の基本は「自分の命は自分で守る」ということです。地震の被害は防げないでしょう。しかし、少しでも被害を小さくすること、つまり減災はできます。そのためには知識が必要です。

 一番大切なことは命を守ること。防災・減災の方策についていくつかの例を挙げます。ステイホームという新しい生活様式のなか、改めてこうした会話が必要なのではないでしょうか。ほんの少しの時間でいいのです。

「地震大国・日本、揺れは年間10万回 これを忘れずに」西影さんは呼びかける
「地震大国・日本、揺れは年間10万回 これを忘れずに」西影さんは呼びかける

●大地震が起こったら、まず自分のいる場所に近い空き地で1次避難をし、次に少し落ち着いた段階で居住校区の小学校に避難、というのを普段から家族で話し合っておくことが大切です。昼間だと家族は職場・学校・自宅等居場所がばらばらの可能性が高いからです。

●真剣に訓練を行うこと。町や自治会の呼びかけや知人に誘われて参加しても、世間話をしながらでは何も訓練になりません。避難しようとしたが、目の前の家が燃えている、木が倒れて道がふさがれている、というような状況に自分を追い込んで訓練を行うことが大切です。

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