「海のもしもは118番」このキャッチフレーズをどれだけの人が知っているだろうか? 1月18日は「118番の日」。2000年に海上保安庁が緊急通報用電話番号「118番」の運用を開始。携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を起動させた状態で通報すれば、通報者の正確な位置を瞬時に把握することができる。しかしこの番号、なかなか浸透しないためその後2010年には「118番の日」を制定したのだが……。
2020年、海上保安庁全体での「118番」年間通報実績は約46万件。兵庫(日本海側を除く)や大阪、和歌山など7府県の水域を管轄する第五管区海上保安本部(神戸市中央区)への通報件数は、全国で2番目に多い7万7000件。このうち海難や密漁情報といった有効な通報は490件で、間違い電話や無言電話、すぐに電話が切れる「即断」が、なんと約99%を占めた。その数は7万6000件だったというから驚く。
第五管区海上保安本部は例年、118番通報について知ってもうらため、各種イベントや街頭キャンペーンで周知活動を実施していたが、新型コロナウイルスの感染拡大でイベントなどの大半が中止に。そこで関西で抜群の知名度を誇り「あるとき~!」のCMでおなじみの「551蓬莱」(株式会社 蓬莱 / 本社・大阪市浪速区)とのコラボレーションを企画。蓬莱側もこの企画に賛同した。1月16日~31日、551蓬莱全ての店舗の持ち帰り用手提げ袋が海上保安庁とのコラボバージョンとなる。
今回のコラボ企画、株式会社 蓬莱・営業部の八田実紀さん(営業支援課・主任)は、ラジオ関西の取材に対し「豚まんをはじめ中華の名店が多い神戸にある第五管区海上保安本部さんが、コラボレーション・パートナーとして551蓬莱を選んでいただけたのはうれしいですね!もともと大阪市消防局と2016年から春・秋の火災予防運動にご協力させていただいていました。消防車の赤とウチの豚まんの赤箱を引っ掛けて……。さらに2019年、G20大阪サミットでは大阪府警とタッグを組み、警備が強化されることを観光客にも幅広く周知できるよう、『G20があるとき~!』と言わんばかり、ウチの手提げ袋にG20ロゴやパトカーをあしらったんですよ。今回も弊社のそういった活動がお目に留まったんですね」と話す。
店頭販売で「東の崎陽軒、西の蓬?萊」とも称され、豚まん(肉まん)やアイスキャンデーなどの手みやげやテイクアウトで圧倒的な人気を誇る551蓬莱。豚まんを超えるほどの商品を開発しなければ、新たな商品として売ってはならないという厳格な掟(おきて)があるという。
しかし、2020年からコロナ禍での往来自粛が影響し、手みやげとしての売り上げが大きく減った。こうしたなか巣ごもり需要の高さでテイクアウトは比較的好調だそうだ。関西が好き、大阪が好き、そして関西のソウルフードを愛する八田さんは「こういう時だからこそ、関西の、大阪の企業として社会貢献を続けます」と意気込んだ。