環境問題と地球温暖化は相反する問題?!春先にやってくる難敵「PM2.5」がもたらす思わぬ効果とは

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 春先にかけて日本に飛来することが増える大気汚染物質「PM2.5」が、地球温暖化を考える契機になる?! お天気キャスターとして活躍する気象予報士・防災士の正木明さんが、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、PM2.5をテーマにトークを進め、「PM2.5を減らすと同時に、二酸化炭素も減らさないと、地球環境は良い方向に向かない」と、環境問題についての提言を述べた。

気象予報士・防災士の正木明さん
気象予報士・防災士の正木明さん(写真:ラジオ関西)

 黄砂とともに大陸からやってくることが多いPM2.5。今年は例年よりも早く大陸から飛来し、影響が出始めているという。その粒子の大きさは、2.5マイクロメートルと大変小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配される。

 大気汚染と健康問題を引き起こす物質であることから、工場、事業場などの煤煙発生施設や自動車の排出ガスから出されるPM2.5に関しては、大気汚染防止法に基づき、その濃度が規制されている。その効果もあり、年間の平均的な濃度は減少傾向にあるという。

 ただし、このPM2.5があることによって、地球温暖化がいくらか抑えられている事実があると、正木さんは語る。

「PM2.5の濃度が濃いと空が白くなりますが、それは太陽の光をPM2.5が散乱してしまうことによるもの。さらに、雲による太陽光の散乱を増やす効果もPM2.5にはあるといいます。そうなると、地上に届く太陽のエネルギーが減るんですが、それは気温を下げるということにもなり、これは温暖化と逆行します」

「一方で、日本を含めた先進国は、健康への悪影響を取り除くために大気汚染対策を行って、PM2.5はどんどん抑えられています。でも、PM2.5の濃度を下げるということは、地球温暖化を抑えていたものを取り除くことになってしまいますので、空気がきれいになればきれいになるほど、地球温暖化は加速してしまいます」

 温暖化の大きな要因といわれるのは、世界的な二酸化炭素の排出量の増加。一度、大気中に排出されてしまうと、数十年は大気中に留まってしまうため、なかなかなくならないことも懸念材料の1つだ。社会活動、生産活動をするうえで、日ごろから排出されることが多くなりがちだが、国内はもとより、世界的にもCO2削減の重要性が叫ばれている。

「結論としては空気をきれいにするとともに、絶対に二酸化炭素を減らしていかなければいけないんです。両方やることによって温暖化が収まっていく方向に向かうということなんです」と、今回のPM2.5にまつわる話とともに、日頃からのエコな取り組みの大事さを、正木さんは訴えていた。

※ラジオ関西『正木明の地球にいいこと』2021年1月25日放送回より


◆『正木明の地球にいいこと』ホームページ

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