ヨーロッパのお宝が一堂に「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」 あべのハルカス美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ヨーロッパのお宝が一堂に「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」 あべのハルカス美術館

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 世界最大の個人コレクションで「宝石箱」にもたとえられる「リヒテンシュタイン侯爵家の至宝」を集めた特別展、「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」が、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で開催されている。2021年3月28日(日)まで。

 オーストリアとスイスにはさまれた「リヒテンシュタイン」は、小豆島ほどの大きさの小国だ。世界で唯一、君主の名前を国名にしている。かつて神聖ローマ帝国・ハプスブルク家に仕えたリヒテンシュタイン侯爵家は、およそ500年前から、優れた美術品を収集することは一族の名誉であるという家訓の下、世界でも屈指のコレクションを形成している。特別展では、油彩画や陶磁器など126点を展示、うち100点ほどが日本初公開という。

 歴代のリヒテンシュタイン侯爵家の人々の肖像画やからは華やかな宮廷生活の雰囲気を感じ取ることができる。16世紀の北方ルネサンスを代表するクラーナハ(父)や17世紀のフランドルの巨匠ルーベンスなどの宗教画はバラエティに富んでおり、ルネサンス期から19世紀前半にかけての「おいしいところ」が集まった。

 そして今回の特別展では陶磁器が多く展示されている。15世紀以降、日本や中国から多くの磁器がヨーロッパに輸出されその美しさが大人気となった。ヨーロッパ人の趣味や生活様式にあわせて金属の装飾が加えられることもあり、例えば花立が蝋燭立てに「アレンジ」された。東洋の磁器へのあこがれから、ヨーロッパでの陶器が生み出されることにつながっていく。

 また、16世紀から17世紀にかけて発展した「花の静物画」にも注目している。初期は枯れたものや虫なども描かれており、あべのハルカス美術館の米屋優副館長は「生きているもののはかなさを表現したのではないか」と分析する。本来同時に咲くことがない四季の花々が一緒に咲き誇っている様子が描かれるようになり、人気のジャンルになったという。油彩画のほか陶板画、磁器が並ぶ。

 会場には、リヒテンシュタイン侯爵家が住む宮殿の写真も展示されており、米屋副館長は、「ヨーロッパの宝石ともいえるコレクションとともに、貴族の豊かさ、宮廷の空間も楽しんでほしい」と話す。


【イベントは終了しました】
◆「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」
会期 2021年1月30日(土)~3月28日(日)
会場 あべのハルカス美術館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
問い合わせ 電話06-4399-9050
ホームページ https://www.aham.jp/

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