政府は、10都府県で発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言をめぐり、兵庫、大阪、京都の関西3府県について2月末の解除に向け最終調整に入った。首都圏については状況に変化がなければ延長しない方向。26日にも諮問委員会を開き判断する。
兵庫、大阪、京都の3府県と愛知県が23日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除を国に求めていた。感染状況は1月に比べて大きく改善したが、就職や転勤、進学などで人が動く年度替わりを控え、再拡大の懸念は強い。十分に感染が抑えられていない首都圏が火種になる恐れもあり、経済と対策のバランスをどう取るか難しい判断を迫られる。
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神戸市東灘区の女子大学生(19)は「この春で2年生になりますが、オンライン授業ばかりで友達とも会えない中、また緊急事態宣言が出てしまったので困りました。アルバイトもできない、大学にも行けない、知り合えた友達とはメールやLINE(ライン)で連絡を取るだけの生活ですから、いま『解除』という言葉に敏感になってしまって、実際に解除されたら急激に気が緩みそうで、また感染が広がり、リバウンドするかも知れません」と不安な表情をのぞかせた。
芦屋市の男性会社員(36)は「緊急事態宣言の延長、営業職には大変つらいです。それぞれの感染防止対策をしながら経済を動かすことは、もう当たり前の生活スタイルですが、我慢を強いられるだけの生活は無理です。ビジネスの世界、年度末は人・モノ・カネが動きます。去年の春先、ジワジワと感染者が増えて第2波に突入したことが頭をよぎります」と嘆いた。
宣言が解除された場合、兵庫、大阪、京都では飲食店への時短要請などの対策は一斉にやめるのではなく「段階的に緩和する」としている。兵庫と大阪は午後8時までとしている営業時間を1時間延長し、午後9時までとする方針。大阪は対象エリアを府内全域から大阪市内に縮小する方向で検討している。京都は近く対策本部会議を開き、対応を決める。