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キーワードは「ZEH」 地球温暖化防止コミュニケーターに聞く、「省エネ」×「創エネ」住宅の重要性

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 お天気キャスターとして活躍する気象予報士・防災士の正木明さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西)。2月8日の放送回では、「環境省登録 地球温暖化防止コミュニケーター」を担う、積水ハウス株式会社環境推進部温暖化防止推進室の福田和幸さんをゲストに迎え、「環境に優しい住まいづくり」をテーマに話が進められた。

 省エネと快適性の両立が住まいづくりに求められてきたなか、1997年の「京都議定書」を契機に、住宅メーカーも環境対策を強く反映。福田さんの所属する積水ハウスでも、「脱炭素社会」といわれる2050年度までを見据えたビジョンを2009年に発表すると、2013年以降は、「ZEH」(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)という、「省エネ技術と創エネ技術を組み合わせた最新のエコ住宅」を標準仕様として、今に至る。

 ここで出てきた「ZEH」について、福田さんは改めて解説する。「高断熱と省エネ設備、これで電気などの消費エネルギーを減らし、さらに創エネで、自宅で太陽光発電で電気エネルギーを作ろういうもので、必要なエネルギーに相当するエネルギーを自分で作って、それを相殺してゼロを目指すという考え方で設計された住まいのこと」。一定以上の太陽光パネルの量が必要になるなど、「ZEH」を取り入れる苦労もあるというが、環境にやさしい住まいづくり=高価なものという考えに、福田さんは異を唱える。

「確かに昔の住宅に比べると、建築コストは上がるが、光熱費が驚くほど安くなるというのが、『ZEH』の特徴。今まで住んでいた家の大きさや家族構成、地域など、比較する基準にもよるが、当初10年間はおおむね年間で20万円くらい削減でき、これは現在の1つの目安。投資費用は結構回収できると考えていただいていいかと思う」。積水ハウスの「ZEH」住宅入居者へのアンケートでは、実際の光熱費も含めた満足度は97パーセントだったという。

 さらに、「災害の時に一番困るのは、停電やガスが来ないなど、エネルギーが途絶えること。その際に『ZEH』の住宅は、自宅で電気を作っているので、それが使える。今では家庭用の蓄電システムというのがあるので、大きな災害の際にも最低限の生活ができるというところがある」と、「ZEH」には防災住宅としての側面もあり、そのニーズも向上しているそうだ。

「かつて、日本の住宅は27年くらいで建て替えられたと言われているが、今では耐震性や耐久性が上がって、メンテナンスさえしっかり行えば50年、100年というのも夢じゃない。そう考えたときに、やはりランニングコストは大切なポイントになると思う」と、省エネと創エネを兼ね備えた「ZEH」の利点を強調していた。

 ちなみに、普段の生活に取り入れるべき環境へのやさしい取り組みについて問われた際は、「我慢の省エネというのは、絶対に長続きしないもの。例えば、古くなった家電製品について、まだもったいないかもしれないが、要は省エネ性が低くて余計なエネルギーを使ってるんだということで、早めに買い替えて、少し高くても省エネ性に優れた機器を選ぶ方が、結果としては、我慢から解放されたり、長期的にはお財布に優しいことになる」と答えた福田さん。これを受けて、正木さんも「ものを選ぶときの尺度を変えなければいけない時代。もちろん、それは住宅にも当てはまる」と感想を述べていた。

 最後に、福田さんは、「温暖化防止やゼロ・エネルギー・ハウスなど、どうしても窮屈な話になりがちだが、本来、住まいづくりというのは、わくわく楽しいこと。この目的というのは、『我が家を世界一幸せな場所にしましょう』と。これが今後の取り組みの一番のテーマ」と、家づくりの未来を見据えていた。

※ラジオ関西『正木明の地球にいいこと』2021年2月8日放送回より


◆『正木明の地球にいいこと』ホームページ

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