アートを通した障がい者の活動が、福祉の枠を超えて社会参加となることを目指して話し合う「アートとインクルージョンと多様性に関する国際シンポジウム」(International Symposium for Arts, Inclusion and Diversity)が、6日、オンラインで開催される。兵庫県神戸市の団体「アートはみんなのもの」とフィリピンの「サンフラシススクール」が主催し、アジアの9か国が参加する。
「アートはみんなのもの」は、芸術・文化・表現活動を通じて、多文化共生社会(インクルージョン)や多様性を受け入れる社会(ダイバーシティ)を促進する団体。シンポジウムは、障がい者アートが、注目度を高めつつも依然として福祉の世界に留まる例が多いこと受けて企画された。
2019年から準備が進められてきたもので、新型コロナウイルスの世界的流行などの影響で、この時期にオンライン開催することとした。日本、フィリピンに加え、カンボジア、マレーシアなど9か国が参加。社会の構成員に含まれないような扱いを受ける人たちの事例も含め、障がい者の活動を社会参加へとつなげるアートの力について話し合う。
内容は3部構成。まず、タイの障がい者就労支援団体「ワーカビリティ・タイ」の代表による基調講演。続いて、「アジアにおける芸術、インクルージョン、多様性」、そして日本発祥のアートワーク「さをり織」を題材に「さをり織の社会における意義」をテーマにした発表が行われる。
日本からは、進行役として「アートはみんなのもの」代表の平澤葉子さんが、登壇者として「さをりひろば」元代表理事の城英二さんが尼崎市のスタジオから参加する。途中、音楽やダンスなどのプレゼンテーションもあり、「音遊びの会」と新倉タケオさん、大友良英さんの演奏も披露される。
なお、9か国のうち2か国が参加困難となった。台湾からの登壇者である少数民族のタイヤル族は居住地である山岳部のインターネット環境が悪いため、ミャンマーからの登壇者は2月1日のクーデターによる政情不安のためだ。シンポジウムはそれらも含め、アジアの多様性を受け入れるかたちで開催する。
主催者は「専門家だけでなく一般の方々にも開かれたものにし、インクルージョンやダイバーシティを体感していただく機会にできればと思います」としている。
「アートとインクルージョンと多様性に関する国際シンポジウム」はZoomミーティング機能を使い、日本時間3月6日(土)午前11時から午後4時まで開催。言語は英語で、翻訳は付かない。一般参加は80枠限定。参加費は30USドル(日本円3,300円)、学割20USドル (日本円2,200円)。詳細は「アートはみんなのもの」公式ホームページに掲載されている。
◆「アートとインクルージョンと多様性に関する国際シンポジウム」
http://artforalljapan.org/(「アートはみんなのもの」公式サイト内)
日時:2021年3月6日(土)午前11:00~午後4:00 (日本時間)
開催形式:Zoomミーティング
言語:英語(翻訳なし)
参加費:30USドル(3,300円) / 学割20USドル(2,200円=学生証の添付が必要)
※80枠限定。
※Zoomリンクなど詳細は開催日近くに参加者へ送られる。
◆「International Symposium for Arts, Inclusion and Diversity」
http://phl.artforalljapan.org/
Date:March 6, 2021, Saturday 11:00am-4:00pm(JST)
Meeting format:Zoom meeting visual conference system
Language:English
ADMISSION Fee:USD 30.00 Student:USD 20(Please attach the student ID)
※Seats are limited to 80 slots only.
※Zoom link details will be sent to you close to the event date