兵庫県内で最近5年間、薄暮の時間帯から夜間にかけて、一般道における歩行者と車両との間で発生した死亡事故の約35パーセントは、照明のない場所で発生したという調査結果が明らかになった。クルマのヘッドライトで「ハイビーム」を活用していれば事故を回避できた可能性が認められたという。
兵庫県警は、3月15日からドライバーにハイビーム走行を定着させることを目的として、兵庫県内の各警察署管内に1か所以上の「ハイビーム活用促進路線」を指定(延べ77路線、約299km)。薄暮や夜間帯の交通事故防止対策を進めている。
3月15日には神戸市中央区内で、兵庫県警本部交通企画課、生田警察署の署員、兵庫県交通安全協会と損害保険会社により、ハイビーム活用の街頭啓発活動が行われた。当日は、損害保険会社大手の「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」から寄付された「ハイビーム活用路線」啓発幕を設置するとともに、ドライバーにハイビームの活用を呼びかけた。
兵庫県警交通企画課交通事故防止対策担当の森健市調査官は、「夜間、ロービームで走行中に歩行者と衝突する死亡事故が多発している。暗い道では、ハイビームを活用し、歩行者を早期に発見すれば、悲惨な事故を回避することができる。歩行者、自転車、対向車や先行車がいるときは、まぶしくないようハイ(ビーム)とロー(ビーム)をこまめに切り替えるようにしてほしい」と述べていた。