井戸敏三知事の任期満了に伴い、7月18日に投開票される兵庫県知事選挙をめぐり、県議会の最大会派である自民党などから立候補要請を受けている金沢和夫・元兵庫県副知事(64)が24日、正式に立候補を表明した。金沢氏は神奈川県藤沢市出身で、当時の自治省の官僚として1998年から4年間、兵庫県に出向した。その後、2010年から副知事を3期務め、現在は県の新型コロナ対策本部の事務総長も兼任している。
24日午前に開かれた県議会本会議で、副知事を辞職すると表明した金沢氏は、目指す兵庫像として、「コロナ禍を乗り越える『経済躍動の兵庫』」、「いのち守り抜く『安全先進の兵庫』」、「どの人も、どの地域も『共にかがやく兵庫』」という3つの柱を挙げた。そして「人は生まれてくる場所を選べないが、骨をうずめる場所は自分で選ぶことができる。私はその場所として兵庫を選んだ」と述べ、兵庫県政に懸ける心意気を示した。
金沢氏は、自民党の会派から井戸県政を引き継ぐよう求められ、県内のあわせて55の団体からも立候補の要請を受けるなど、事実上の後継者候補とされている。しかし、井戸県政の刷新を求める自民党の議員11人は会派を離脱して、立候補の意向を固めている総務省出身で大阪府財政課長の齋藤元彦氏(43)に25日午後、正式に立候補を要請する。金沢氏はこうした動きに触れ、「井戸知事の後継ではない。ただ、県政で引き継ぐべきものと変えていくべきもの、十分ではない施策は何か、をはっきりと打ち出したい」と強調した。こうしたことから、兵庫県知事選挙は、初の保守分裂選挙となる。