2021年「春の全国交通安全運動」が6日、始まった。重点として▼子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全確保▼自転車の安全利用の推進▼歩行者などの保護をはじめとする安全運転意識の向上ーが柱となる。
全国の交通事故死者数(※速報値・2021年1月1日~4月5日)ワーストは大阪・40人(前年同期比-2人)、東京・38人(+1)、兵庫はワースト6位の29人(+1)などとなっている。
兵庫県警・交通企画課によると、兵庫県内で2021年に起きた交通人身事故は4238件(以下、いずれも速報値・2021年1月1日~4月5日)、前年同期比で555件マイナスとなった。死者は前述の29人(+1)、負傷者は4974人(-681人)。これらは昨年(2020年)4月7日 、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた初の緊急事態宣言発令前との比較となり、2021年1月に2度目の宣言が発令されたことも影響し、大幅な減少につながったとみられる。
兵庫の事故の特徴として、高齢者の死者が多く18人(前年同期比+3人)と全体の約6割を占めている。こうした中、高齢者の居住率が高い神戸市垂水区のJR・山陽電鉄垂水駅前「レバンテ広場」で6日、交通安全キャンペーンが開かれた。垂水区では1月30日、狩口台1丁目の道路を渡っていた当時74歳の女性が普通乗用車にひかれて死亡した事故があった。
兵庫は大阪とともに、新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」が発令されていることもあり、広い屋外空間であっても感染防止対策を徹底、警察官の呼びかけではなく、プラカードを掲示して横断歩道での事故防止に向けた啓発を行い、道行く人に反射材などを配った。
垂水警察署によると、2020年に管内で高齢者が関係した交通事故は190件、死者6人のうち5人が高齢者だった。兵庫県内の高齢者の死者の割合は全体の約6割だが、垂水区内では8割を超えた。また2021年、2月末までに起きた交通事故75件中、高齢者が関係したのは28件と4割に迫る(死者は1人)。