兵庫県の井戸敏三知事は14日、新型コロナウイルス対策として、神戸市など「まん延防止等重点措置」対象の神戸・芦屋・西宮・尼崎各市の飲食店に計32万枚のうちわを配布する計画を中止すると表明、9日の井戸敏三知事の会見で提案されてから5日での撤回となった。兵庫県は会食中に顔の前にかざして使う「うちわ会食」を呼び掛けていたが、神戸市から「飛沫ひまつ防止効果があるのか検証が不十分だ」と配布しないよう申し入れがあったことを踏まえた。
神戸市民の受け止めは?
「知事さんが言ってた通り、口元を何かでさえぎるのは大事かも知れません。でも、うちわを手にしたら、あおいでしまいます。せめて扇子でしょうか。まだマスク会食のほうが現実味があります。私はマスク会食、最初は面倒だなと思いましたが、少しずつ慣れてきました」(西区 40代・主婦)
「マスクを付けたり外したりしていたら、不織布マスクのひもが切れてしまったんです。飛沫という言葉に敏感になりすぎてしまっているので、それ以来外食はやめて、自宅で1人でテイクアウトを食べる生活になりました。お店で『マスクしてください』と注意されて気まずくなった、というのもありますね」(東灘区 20代・男子大学生)
井戸知事は「うちわで感染が防げるとは言っていない」と釈明、「マスク会食」や、会話を控える「黙食」も守られていない実情があるとし「うちわで防ぐような対応があってもいいという提案だった」と述べた。