変わり続ける丹波焼の魅力 「梅に鶯」めでたさ表現 リモート・ミュージアム・トーク | ラジトピ ラジオ関西トピックス

変わり続ける丹波焼の魅力 「梅に鶯」めでたさ表現 リモート・ミュージアム・トーク

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 丹波焼の魅力を紹介するテーマ展「丹波焼の世界」が兵庫陶芸美術館で開かれている。学芸員によるリモート・ミュージアム・トーク。岡田享子・学芸員に見どころを紹介してもらう。第2回は「梅と鶯(ウグイス)」。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 兵庫陶芸美術館では、2022年2月27日(日)まで、テーマ展「丹波焼の世界season5」を開催しています。日本六古窯として知られている丹波焼(兵庫県丹波篠山市)は、平安時代の終わり頃に誕生しました。そして、今でもやきものが作られています。丹波焼は、800年あまりの間に大きく移り変わり、見る者の眼を楽しませてくれます。

《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》江戸時代中期 兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション) 兵庫県指定重要有形文化財
《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》江戸時代中期 兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション) 兵庫県指定重要有形文化財

 今回紹介するのは、「梅に鶯」です。

 中世には、素朴なやきものだった丹波焼は、近世になると、塗り土や釉薬を使うようになり、さまざまな色合いのやきものが作られました。この作品は、マンガンの入った釉薬がかけられ、黒い仕上がりになっています。その表面に、先のとがった工具で模様を描くことを、丹波では「釘彫り(くぎぼり)」と呼んでいます。

《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》(部分(1))
《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》(部分(1))

 梅が咲きほこる枝の先に、小さな鳥がやって来ました。この時期の丹波焼は、ことわざにもある、「梅に鶯」の模様が描かれたやきものも、作られるようになりました。きっと、この小さな鳥の模様も、ウグイスをあらわしたのでしょう。とは言っても、実際に梅の木で花をついばむ鳥は、ヒヨドリやメジロもよく見られます。どの鳥に見えるか、想像しながらご覧ください。

《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》(部分(2))
《石黒釉釘彫梅鶯文徳利》(部分(2))

 5回に渡って、丹波焼の模様を取り上げ、丹波焼の魅力を紹介します。次回は「布引」です。(兵庫陶芸美術館 学芸員・岡田享子)


※詳細は、展覧会HPをご覧下さい。
【兵庫陶芸美術館 HP】
【丹波焼の世界season5 HP】

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