神戸市は19日、市内の新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、医療提供体制がこれまでにない危機的な状況だとして、感染予防対策について市民に向けてこれまで以上の徹底を呼び掛けた。
神戸市によると、4月18日現在で病床使用率は95%、自宅療養者は418人、入院待機者数も1337人。第3波のピーク時には入院待機者は590人ほどだったが、それを大きく上回り、医療提供体制は「これまでにない危機的な状況」という。この状況に対応するため、西神戸医療センターにコロナ受け入れ病床をさらに9床増やし、さらに民間の病院の30床も確保した。準備が整ったところから順次受け入れを開始する。このため西神戸医療センターでは、現在入院や手術などの通常医療を3割制限しているが、病床を増やした後は4割の制限になるという。
神戸市健康局は「病床を増やしても充分はない。危機的状況にある医療提供体制を根本的に改善するためには感染者を減らすしか方法はない」として、市民一人ひとりが自覚して行動をするよう要請した。
~助かる命を助けるために~
神戸市は市民に向けて▼一人ひとりが感染予防策を徹底する▼これまでより感染しやすい変異株が流行しているため安心しない▼屋外でもマスクをつけて会話を▼手洗い・アルコールで手指消毒・換気 などの項目を挙げている。
市内では若い世代(30代)で命を落とした人が確認されている。市健康局の花田裕之局長は「爆発的な感染者の発生で、救急搬送すべき人を搬送できない状況が続き、医療崩壊が目前に迫る。もはやワクチンを待っていられない。市民の皆さんの努力しかない」と訴えた。