コロナ後への対応 分かっていても目の前の苦境打開に腐心 姫路信金の中小企業調査 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

コロナ後への対応 分かっていても目の前の苦境打開に腐心 姫路信金の中小企業調査

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 コロナ禍で売り上げが減少するなか、「新常態(ニューノーマル)」への対応は、必要とわかっていても打つべき投資計画がない――。そんな中小企業の現状が浮き彫りになった。姫路信用金庫が取引先の中小企業450社を対象に行った「新型コロナ感染拡大長期化の影響と新常態(ニューノーマル)への対応について」(有効回答率99.8パーセント)と題する調査。経営者の苦悩が読み取れる。

インバウンド効果に沸いた姫路経済も苦境が続く
インバウンド効果に沸いた姫路経済も苦境が続く

 今期(1~3月)の売上を、コロナ以前の同時期と比較した設問では、全業種の66.6パーセントが「減少」。小売業に限れば80.6パーセント、運輸・サービス業でも71.9パーセントが減少し、苦しい現状が続いている。

 アンケートの関心項目は新常態への対応。コロナの世界的な感染爆発は、その後の経済、社会の構造を変質させるとされ、新常態への対応の必要性が指摘されている。なかでも日本は、コロナ対応の中でデジタル化の遅れが露呈し、政府も今後の重点施策に位置付けている。

 経済社会が今後変化していくなかで、「事業継続上の不安、心配、懸念はあるか」との質問に対し、「ある」と答えたのは87.3パーセント。その具体的内容について、「先行き不透明で計画策定が困難」が22.8パーセントと最も高く、次いで「既存事業の需要減少」の22.6パーセントが続いた。

「IT人材の重要性が高まる状況にあるが、貴社のIT人材はどのような状況か」との問いに対して、最も高かったのが「IT人材の必要性を感じていいない」の41.6パーセント。ただ、業種別に見ると卸売業の52.2パーセント、運輸・サービス業の42.1パーセントが「足りていない」と答え、業種にばらつきがみられた。

 新常態をにらんだ設備投資については、「設備投資の意向はない」が63.3パーセント。「意向がある」の36.7パーセントを大きく上回った。設備投資については、製造業と運輸・サービス業で、いずれも40パーセントが意欲を見せたが、新機軸を打ち出すためというより「老朽化設備等の更新」が主な理由となっている。

 コロナ禍が設備投資計画に及ぼしている影響については、「当初から予定はなく、設備はしない」が67.3パーセント。「設備投資を実施した」は28.1パーセント。「予定はあったが中止・凍結した」は4.7パーセント。「投資した」と答えた運輸・サービス業のうち、「当初予定はなかったが、補助金などの活用により実施した」ケースが10パーセント超に上った。

 事業の今後については、全体の66.1パーセントが「何等かの事業展開を実施・検討する」と回答。そのうち「生産や販売、調達などの分野で本業の国内取引先を強化する」とする経営者が57.7パーセントと最も高かった。全体の設問を通して、同信用金庫では「地域、業種、規模を問わず、この先に対する不透明感が一番の懸念材料となっていることがうかがえる。規模が小さいほど、設備投資意欲が低く、IT活用にも遅れがみられる」と分析している。

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