実際には建設費用などの理由もあり、波長の半分から、さらにもう半分、4分の1波長のアンテナを設計することがあります。4分の1にするときは、足りない分は大地を鏡に見立てて「肩代わり」してもらうことになります。
ラジオ関西の場合は4分の1波長の134メートルのアンテナの高さになっていますが、送信所が135度の子午線付近にあることに関連付け、高さ調節を行い、135メートルとしています。
また、ラジオ関西は135メートルの自立式アンテナ2基を、135メートル間隔で設置することで、指向性を持たせているそうです。これは「他の放送局に混信を与えないようにしつつ、淡路島からみて本州方面を最大方向とするため」です。
このように建設したアンテナの効率を良くするにはどうすればいいのでしょうか。「大地の接地抵抗が小さいほどよく、アンテナから放射状にアンテナの一部として機能する『ラジアルアース』と呼ばれる銅線を埋設したり、海辺や川辺など湿地帯の土地に建設します。特に4分の1波長で建設した場合には、大地の接地抵抗は重要です」。なるほど……。
放送局免許の申請には。演奏所と呼ばれる音を調えるスタジオがある場所や、番組送出を行う設備、中継回線の設備、送信所について、総務省に届け出が必要。そして、「非常時を除いて、事前の許可なく構成を変更できないため、送信所から直接放送することはできない」とあります。
たとえば送信アンテナの横で公開生放送をしても、直接送信アンテナからではなく、いったん別の場所にあるスタジオに音を送って調整してから、また送信アンテナに音を送り、放送しなければいけません。
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もしも「ラジオってなんで聞こえるの?」と聞かれたら、送信所についての知識を披露してみては。
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※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2021年5月2日放送回音声