◆床が見えている部分と家具の比率は、7:3
【崇島さん】最初に紹介するのは「スペースの黄金比」です。これは部屋の床面積を家具が占める割合で、黄金比は7:3です。これは、床が見えている部分が7割、家具が置かれている部分が3割の状態。家具が多すぎて、床の見える部分が少ないと乱雑な印象になってしまいますし、あまり少なすぎても殺風景になってしまいます。必ずしも守らなければオシャレにならないというわけではないのですが、あくまで理想は7:3です。
◆シンプルなアイテムを6、複雑性のあるアイテムを4に
―――私の部屋は物が多くてほとんど床が見えていない状態なのですが……。
【崇島さん】そういう方の場合は、私が考えるなかで最も重要な「アイテムの黄金比」でカバーできる可能性があります。部屋を構成する壁や床、天井、家具といったアイテムのテイストの比率ですが、アイテムは大別すると、“シンプルなもの”と“複雑性のあるもの”に分かれます。素材感がないような新品の家具は“シンプルなもの”に分類されます。それに比べてアンティークの家具は古い木が経年変化しているので、“複雑性のあるもの”に分類されます。アンティークの家具で全部揃えるとオシャレになるかというとそうではなく、ただの古い部屋に感じてしまいます。アイテムの黄金比は6:4で“シンプルなもの”を6、“複雑性のあるもの”を4にすれば、バランスがよくなります。入居時の部屋の状態が“シンプルなもの”100パーセントとすれば、アンティーク家具や絨毯、照明、観葉植物などで“複雑性のあるもの”40パーセントをプラスするイメージです。
◆ベースカラーの比率は70パーセントに
―――3つ目の要素としてあげられた「カラー」。私の部屋は色のないモノトーンのものばかりなのですが、オシャレな部屋にすることはできますか?
【崇島さん】それはオシャレな部屋になるチャンスがあります。「カラー」についてはインテリア業界的にも黄金比と呼ばれているものがあり、考え方としては、「7:2.5:0.5」です。床、天井、壁などのベースとなるカラーを70パーセント、イスやテーブルなどのメインカラーを25パーセント、クッションや雑貨など部屋のメリハリをつける小物の色を5パーセントという配分にするのがいいです。部屋の壁紙が白であればベースカラーを白に決めて、部屋の全体的な印象として白が大体70パーセントあるなという状態にもっていっていただくとバランスが良くなりますね。
―――ベースカラー以外の「2.5:0.5」というのは微妙な数字で、少し難しそうですね。
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【『センスにたよらない 感じて、考えるインテリア』(著:崇島亮)】