毎週日曜午前8時からのラジオ番組『ラピスモーニング』(ラジオ関西)で、神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職、「ラピス和尚」さんの楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っているもの。そんな感動をラジトピで連載していきます。5月2日放送回の辻説法は、とあるお寺の前にありました掲示板の言葉を取り上げました。
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◆本日の辻説法
「となりのレジは早い」
もちろん「となりの芝生は青い」をもじったものです。パクリではありません。
ショッピングモールでいくつも並ぶレジ。「さて、どのレーンに並ぼうか?」と思ったとき、何をチェックしてあなたはそのレジに並びましたか?
おかあさんと小さな子ども2人で山のように食品を買い込んだ人、カゴの中身はいっぱいだけど、3人で並んでいるから進むのは早いのか。一方、こちらのお兄さんはお茶とお菓子だけだから早いのでは。レジに並ぶ人々の買い物かごの中身を瞬時に分析し、「このレジが一番早いに違いない!」と狙いを定める。しかし、一瞬スマートフォンに目を落としたスキに、となりのレジがスピードアップ。自分より後にならんだ人がもう隣に並んでいる。「あれあれ!?」、いったい何が起こっているのか……。
人生は思うように進まないという、わかりやすいシーンですね。
このお話、あなたはどのように読まれましたか? 主人公の気持ちになって「あ~あ、隣の人に追い越されてかわいそう」とか、「推理に失敗したな」とか、いつの間にやら、隣の人とくらべることがテーマになっているではありませんか! 「スムースにレジをすませる」という本題が、すっかり忘れられてしまいました。
ラピス和尚は「何事も複眼を持つことが大切です」と語ります。
物事には本質があります。この場合は自分の時間を無駄にしないように対策を取ったということなのです。隣の人が自分より早く進んだからといって全く関係ありません。
※街で見かける伝導掲示板やあなたの知りたい仏事へのご質問もお待ちしています。
ラジオ関西『ラピスモーニング』(lps@jocr.jp)まで。
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