神戸市は12日、冷温で補完する必要のある新型コロナウイルスワクチンを誤って常温で管理したため、接種960回分が使えなくなったと発表した。市は「非常に貴重なワクチンを無駄にしてしまうことになり、市民の皆さまにご迷惑をおかけし、申し訳ない」と謝罪した。
市によると5月11日、集団接種会場(東灘・中央・北)に新型コロナワクチンを配送した際、本来は保冷ボックスに入れたまま2~8度の温度帯で保管しなければならないところ、配送業者が誤ってワクチンの入った発泡スチロール箱を取り出し、委託業者のスタッフがそのままの状態で受け取った。ワクチンはアメリカ・ファイザー社製。同社のワクチンは常温で解凍した場合、2時間以内に希釈する必要があるが、最長で3時間常温で保管され、ワクチン192バイアル(960回の接種分に相当)が使用できなくなったという。
神戸市はその原因を、配送業者・委託事業者に指示したワクチンの運用方法が配達員にまで徹底されていなかったことによるとした。市は今後、ワクチンの受け取りに市職員が関わることで再発を防ぎたい考え。