それをひとつずつ同じ大きさの鍵盤にすると……、きっと演奏しにくいですよね―。場所がわかり、かつ演奏しやすく指がはこびやすいようにという、先人たちの試行錯誤が今の鍵盤の形を生んだのでした。
それではピアノの歴史をご紹介しましょう。
1300年頃、クラヴィコードという楽器が発明されました。クラヴィコードは四角の机みたいな姿で、鍵盤を弾くと弦を叩くような仕組みになっていました。鍵盤はすでにこのような形になっていましたが、今のピアノのような音ではありません。
その後、1500年ごろにイタリアでチェンバロが誕生します。爪が弦をはじいて音を出す仕組みですが、形は現在のピアノに近くなりました。
そして1700年頃になると、もっと音楽に強弱をつけてダイナミックな演奏ができるクラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(強弱がつけられるクラヴィチェンバロ)が開発されました。その後も楽器の改良は続けられましたが、現在のピアノはこの長い名前を略して「ピアノ」と呼ばれています。
さて、お話を「白と黒の鍵盤」に戻しましょう。このようにして進化を遂げる鍵盤楽器。木製の鍵盤を白く美しく保つために考えられたのが鍵盤に「象牙」を貼ることでした。
1700年代の終わりのヨーロッパでは、「うちのピアノにはこんなに象牙を使ってますのよ!」と、お金持ちの自慢にも使用されたそうです。
◆ラジオ関西『天宮遥の私はピアノ』
【番組ブログ】