兵庫県や大阪府、京都府などに出されている3度目の緊急事態宣言は、18日で延長期限の5月31日まで残り14日となる。井戸敏三・兵庫県知事は17日の記者会見で、宣言の解除について「まだ、その基準を示す状況ではない。医療提供体制のひっ迫した状態が続いている。感染者の絶対数を減らさないと…」と明言を避けた。また、「前回は基準を示したことで安心感をもたらしてしまった。段階的に努力していくことが必要で、前回と同じでいいのか見極める必要がある」と、異なる対応をとる考えを示した。
県は、2度目の緊急事態宣言が発令されていた2021年2月末、政府に解除を要請する要件を(1)直近1週間の1日当たりの新規感染者数が10万人当たり10人以下(2)重症病床の利用率が50%以下の2つを解除に向けた基準として設定。兵庫県では17日午前0時現在で、(1)は約40人、(2)は80%以上と大きく上回っており、先が見通せない状況となっている。また、入院したくてもできない、いわゆる入院調整(自宅待機)中の患者は1,187人、自宅療養者数は1,457人に上っている。
県内で17日に確認された新規感染者は120人。月曜日は、休日に実施される検査数が少ないことから、新規感染者もそれに伴って少なくなる傾向にあるが、100人台になるのは4月12日以来だった。また、過去2番目に多い33人の死亡が確認された。これについて井戸知事は、「変異株に感染すれば重篤になりやすい、という状況が出てきている」と、厳しい表情で話した。