明石といえば、特産の鯛やタコをはじめ、魚のまちとして知られる。その地で、もっと魚を食卓にと、明石の魚の普及活動が行われている。
地元の料理講習会や学校料理教室などに魚を提供したり、分かりやすい料理法とレシピで魚料理を教える料理講習会事業など、普及活動を行っているのは、『明石おさかな普及協議会』。
同会は、1981(昭和56)年より、明石市地方卸売市場内にかかわる水産物を扱う2社の卸売会社(大水 神戸支社 明石営業部・神港魚類 明石支社)と、水産仲卸業者で作る明石海産卸売協同組合、2つの小売組合(明石海産物小売組合・明石生魚小売協同組合)で構成されている。
料理講習会事業などで行う鯛の三枚おろしや、生たこの鮮度の見分け方・上手なゆで方などの実演は人気で、申し込みも殺到しているという。
6月末から7月にかけて行われる「明石半夏生たこまつり」では明石だこを提供。最近では、2019年の「明石市制施行100周年記念事業『第11回ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリin明石』」にも協力している。また、兵庫県漁業協同組合連合会(県漁連)や明石市漁業組合連合会(市漁連)とともに、中学校給食で中学生が明石鯛を食する機会を作った。「お魚が苦手な子どもたちにも、もっと身近においしさや魅力などが伝わるように」と、活動の幅を広げている。
その『明石おさかな普及協議会』は、昨年、神戸新聞明石総局に協力を依頼し、英語版「Akashi Seafood, One of a Kind」(著:神戸新聞社、訳:石綿奈穂子、ペンコム刊)を作成。さらに、2022年には明石で開催される「第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会」に合わせて、明石の魚をアピールしようと、書籍「明石の誇り・海の恵み」として日本語版も出版した。漁の面白さや明石の鮮魚の魅力がたっぷり掲載されている書籍は、明石駅前のパピオスあかし内にあるジュンク堂書店明石店で販売している。(問い合わせは明石海産卸売協同組合、電話078-921-3100)。
「明石の鯛は、この春の時期は桜鯛と呼ばれ、鯛の身は淡白であっさりした味わいがあり皆さまに好まれている。値段も手頃となり明石の人たちには多く食されている。これから夏になり餌をたくさん食べて脂が乗ってくる。それにより赤味が増した鯛は秋に紅葉鯛と呼ばれ、これもまた多く食されている。明石の蛸は梅雨が明けた頃に旬をむかえ、お盆過ぎぐらいまでが甘みがあって、かめばかむほど味が出てくる」と、明石鯛、明石だこの魅力を語ったのは、『明石おさかな普及協議会』川﨑喜昭会長(明石海産卸売協同組合理事長)。
「明石にはたくさんのおいしい魚があるので、ぜひとも学校給食などで子どもたちに魚を食べる機会をたくさん増やして欲しい。その子どもたちが大人になった時、明石の魚は日本一おいしいとみんなが伝えてもらえれば。そして、みんなが明石の魚大使になり、明石の魚を宣伝してほしい」と、にこやかに思いを語った。(嵐みずえ)