女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサは、5月22日のプレシーズンマッチ、三菱重工浦和レッズレディース戦で2-0と勝利。新体制での3試合すべてでクリーンシートを達成し、秋のリーグ戦開幕に向け、チームは自信を積み重ねている。その試合でゴールを決めたMF菊池まりあ選手が、24日放送のINAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ』(ラジオ関西)にゲスト出演。浦和戦やゴールを振り返った。
前年のなでしこリーグ覇者・浦和をノエスタで迎え撃ったINAC神戸。緊急事態宣言の影響で会場が変更になり、ノエビアスタジアム神戸でリモートマッチ(無観客試合)として開催された一戦では、0-0で迎えた後半早々、守屋都弥選手のゴールで先制。すると、77分から途中出場した菊池選手が、終盤の89分、MF伊藤美紀選手からのスルーパスにスライディングであわせて値千金の2点目を記録。昨年リーグ戦で2戦2敗していた相手に勝利し、チームとして成長の跡を見せた。
「練習の時から伊藤選手は自分が走ったら必ずパスを出してくれていたので、信じて走った」という菊池選手。番組パーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登は、「伊藤選手がカットした瞬間に菊池選手が走り出したことが、相手GKの足を止めたことにつながった」と分析し、菊池選手の思い切りのいい飛び出しを称えた。
2001年12月5日生まれ、宮崎県出身で、神村学園高等部(鹿児島県)を経て、昨年からINAC神戸の一員となった菊池選手。ルーキーイヤーとなった昨シーズンは、公式戦の試合出場はゼロ。タレントぞろいのチームのなかで、出番に恵まれず、1月の契約更新時には「何もかもが初めてで悔しい思いをした1年だった」と心境を吐露していた。強い意気込みで挑む2年目では、ここまでのプレシーズンマッチで3試合連続途中出場。そのなかで、本人にとっても念願のゴールとなり、スタッフ陣への絶好のアピールとなった。
また、番組のなかでは、前半はチームが思うようなサッカーをできなかったことを問われた際、ベンチから戦況を見守りながら感じていたことについて、「原因は自分たちにあった。試合前にミーティングでウイークポイントを分析し、監督からも指示があったがうまく機能しなかった。浦和の選手も上手だが、INACの選手はみんな『まだやれる』と思っていたはず」と、菊池選手はチームの思いを代弁。若手ながらしっかりサッカーを分析し、言語化できることに、番組パーソナリティー陣も感心していた。
自身の今後の課題について「1対1を自分で打開できるようプレーの選択肢を増やしたい」と話す菊池選手。また「ゴールを決めたら『頭の上でハートマークを作るパフォーマンスをする』と話していたが、頭が真っ白になりできなかった。今度こそやりたい!」と期待の19歳はさらなる活躍を誓っていた。
INAC神戸は、次戦、プレシーズンマッチ4戦目で、サンフレッチェ広島レジーナとアウェイの広島広域公園第一球技場で対戦する。キックオフ予定は6月5日(土)午後2時。