兵庫県は26日午後、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、大阪府・京都府と共同で政府に緊急事態宣言を再延長するよう要請した。4月25日に出された「3度目の緊急事態宣言」は当初、5月11日までが期限だったが、県内の感染状況に大きな改善が見られず、5月31日まで延長されていた。
しかし、兵庫では26日午前0時現在で73.3%の重症病床が使用されており、入院調整中の患者は約700人にのぼるなど、医療提供体制は依然ひっ迫している。井戸知事は会議後の記者会見で、「自宅待機者も約700人に上るなど厳しい状況だ。今は宣言を解除する段階ではない」と述べた。再延長の期間は、「(沖縄県の期限の)6月20日がひとつの目安になる」との見通しを示した。
井戸知事はまた、再延長した6月1日以降も飲食店に対する時短営業や酒類の提供自粛、大型の商業施設などへの土日休業の要請などは続ける考えを示した。一方、大型商業施設や入居するテナントに対し、県独自で要請している平日午後7時までの時短要請を見直し、午後8時までとする可能性を示唆。県は28日に再び対策本部会議を開き、県民や事業者への具体的な要請内容などについて最終決定する。
大阪府は現在、百貨店など大規模商業施設の休業やイベントの無観客開催を要請しており、兵庫・京都より厳しい対応となっている。吉村洋文知事は26日、「(宣言再延長なら)週末の外出を控えてほしいが、営業の自由もある」と発言。大規模商業施設への休業要請は兵庫・京都と同じく土日に限定し、平日は営業時間短縮に緩和する意向を改めて示した。