兵庫県尼崎市発注の工事をめぐる贈収賄事件で、便宜供与の謝礼として業者側から現金30万円とイタリア製ブランドの財布を受け取ったとして、兵庫県警は16日までに、収賄容疑で尼崎市水道建設課に所属する技術職員の男B(33)を新たに逮捕、送検した。事件をめぐる逮捕者は4人目。
逮捕容疑は2020年10月17日、大阪・北新地の飲食店で、水道工事の複数の一般競争入札について、尼崎市内の土木工事会社に、本来は秘密事項とされる設計金額を漏らした見返りに、現金30万円やイタリアの高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」の財布2個(11万6千円相当)を受け取った疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。
事件では、市発注の別の水道工事を巡り現金や高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の財布を授受したとして、別の技術職員の男A(26)が収賄容疑、土木工事会社社長と経理担当の女が贈賄容疑などで逮捕、起訴された。
BはAの同僚。贈賄側はまずBと親密になり、その後Aとも関係を築いたという。Bへの賄賂は贈賄側から持ち掛け、飲食を伴う不適切接待も複数回あったとみられる。尼崎市によると、2018年以降に贈賄側が落札した水道建設課発注工事4件のうち、Bは2件で検算や設計を担当したという。