嵐電(京福電気鉄道嵐山線)といえば四条大宮と嵐山を結ぶ嵐山本線が有名ですが、今回の北野線は帷子ノ辻(かたびらのつじ)と北野白梅町(きたのはくばいちょう)を結ぶわずか3.8キロメートルのミニ路線。京紫の1両の電車が最高時速40キロでのんびり走ります。しかしこの沿線の10駅には有名寺院がずらりと並び、思わずひと駅ずつ降りてみたくなる魅力的な路線なんです。
「帷子ノ辻」を出発すると、わずか300メートルで次の「撮影所前」。1926(大正15)年、かの阪東妻三郎が開設した東映京都撮影所(当時、阪妻プロダクション)があり、駅周辺を今も俳優さんたちが闊歩しています。この駅は北野線で一番新しくて、2016年に誕生。JR嵯峨野線・太秦駅とも連絡しています。
「鳴滝」~「宇多野」間には北野線で一番人気のフォトスポットがあります。単線に覆いかぶさるような木々の緑が、春は見事な桜のトンネルに。大正末期、北野線開通を記念して植樹された桜の木が70本。満開時の夜はライトアップされます。
「御室仁和寺」(おむろにんなじ)は真言宗御室派の総本山。世界文化遺産で御室御所とも呼ばれ、遅咲きの桜で有名です。また昔の右から横書きの木製駅名看板もしっかり駅舎に残っています。
「妙心寺」は見どころいっぱい。ここは臨済宗妙心寺派の総本山であり、日本最大の禅寺。参道の両サイドには なんと46の塔頭が立ち並びます。法堂の天井にある完成まで8年をみた八方にらみの「雲竜図」は見逃せません。また大方丈での写経体験や、塔頭の中でも屈指の古刹・退蔵院の枯山水のお庭にも足を向けてみてください。
そして妙心寺駅そばの「ワンダアカフェ」は、昭和のテーマパークともいえる老舗のカフェ。店内には昭和のフィギュア・看板・ポスター・レコードなどが所狭しと並んでいます。特に趣向をこらしたトイレは必見です。
石庭で知られる世界遺産の「龍安寺」は、白砂に大小15コの石を配して禅の思想を表現しています。この庭をゆっくり眺めながら瞑想にふける時間も貴重です。
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